『日本酒フェスから見るオーストラリアと日本の深い関係』 (講演概要①)
(観光のひろば 2025年1月31日) 遠藤烈士:JAMS,TV
https://smrtkanko.com/wp-admin/post.php?post=11248&action=edit

【ホッシーのつぶやき】
JAMS,TVの遠藤さんの取り組みは奥が深い。
訪日旅行者を増やすため日本の素晴らしさを伝えるだけではダメで、帰国してから日本を振り返る場が必要だという。日本を振り返るキーワードの一つが「日本酒」だが、日本酒販売だけでは人は集まらない。和太鼓など日本文化を全面に押し出すから「酒フェス」に人が集まり、日本酒も売れる。
タッチポイントを増やすことこそが日豪交流を増やす基本だと遠藤さんは語る。
(①②③で3日間発信します)

【 講演概要 】

私は1995年に渡豪して30年目を迎えます。ダンススタジオの経営などをしてきて、2018年からJAMS.TVの取締役マーケティング部長、2022年に同社の取締役社長となり、2023年にはオーストラリア酒アワード協会の代表理事に就任しております。2024年には日本にジャムズジャパンも設立いています。

そして2025年は、JAMS.TV設立20周年を迎えます。

JAMS.TVは『日豪交流から共感を生む』ということで日本とオーストラリアの架け橋になりたいと活動してきました。訪日観光支援、日本産食品および酒類市場の豪州進出支援、豪州在留邦人生活支援などが主な事業です。訪日観光支援では、オーストラリアで唯一の訪日観光メディア「G’Day Japan!」を運営しており、日本産食品および酒類の豪州市場進出支援として「酒フェスティバル」を開催するとともに、オーストラリア人の審査による日本酒国際コンクールも開催しております。またオーストラリア在留邦人生活支援として、月1,800,000PVと100,000ユーザーのアクセスを誇るオーストラリア最大のポータルサイト「JAMS,TV」を運営しております。

日豪における継続的な成長を目指しており、多くのオーストラリア人に訪日観光してもらい、日本を好きになってオーストラリアに帰ってきてもらい、帰国後も日本を楽しめるよう日豪交流の循環を作りたいと活動しているところです。

訪日リピータを育成する仕掛け「酒フェスティバル」は、2022年にシドニーで開催し、2023年・2024年はシドニーとメルボルンで開催、2025年はブリスベンでも開催してまいります。

2024年は7月メルボルンで5千人、9月シドニーで8千人、合計1万3千人が来場されており、出展者総売上は1億3,800万円(酒9700万円、食品3200万円、日用品800万円)になります。

売り上げが増えた理由は、来場者数、出店者数ともに増えたことにあります。
2024年度来場者は、男女比ほぼ半々、年齢は20代22%、30代32%と若い人が多く、来場者の7割以上が高所得者で、1人当たり平均250豪ドル(約25,000円)を消費されました。
2025年に「訪日予定がある」49%「おそらくある」が37%と、「酒フェス」参加者と訪日旅行との関係性が強くて、日本への興味の1位「日本食」94%、2位「伝統文化」84%で、若い人が特に「日本食」や「伝統文化」に興味を持たれているのが注目すべき点です。
また、オーストラリアでは日本酒は高価な商品であり、フェスティバルに「酒」というキーワードを入れることで、高所得者の方が集まっているとも分析しております。