『瀬戸内国際芸術祭2013』の夏の部が9月1日まで開催されている。
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今回は、2回目だが、1回目の『瀬戸内国際芸術祭2010』について、報告をお聞きしたのでご紹介する。
『瀬戸内国際芸術祭2010〜アートと海を巡る百日間の冒険〜』、2010年7月19日〜10月31日までの105日間、高松港周辺、直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島で開催された。

きっかけは、H16年度に香川県の若手職員が政策研究で『「現代アートと王国かがわ」の確立で「アートアイランド・トリエンナーレ」の開催』を提言したことに始まるという。H17年3月に直島福武美術館財団が『瀬戸内アートネットワーク構想』を発表し、H18年度に香川県観光交流局が『アートツーリズム事業』として直島などで航路便「アートシャトル」を実験運航などをふまえ、H19年度に、香川県議会で芸術祭参加を表明するに至ったという。
その後、H20年度に実行委員会が設立され、H22年7月19日に開幕を迎えている。ともかく息の長い準備の事業である。
アート作品は、18の国と地域から75組のアーティスト作品と16のイベントの参加があったという。

当初30万人の来場者見込みだったが、93万8千人が来場されている。
来場者は、男性31.4%、女性68.6%、39歳まで70.6%、40歳以上29.4%と、若い女性の参加が顕著だったとある。香川県内からの来場が27.6%、香川県外からの来場が71.3%、海外からの来場1.1%とあり、内訳は、関東20.1%、関西20.0%、香川・岡山39.2%、その他18.3%と、東京や大阪などの都会からの来場が目立つようだ。

鑑賞パスポートは当初予想前売り2万枚を大幅に上回る41,537枚。最終的な売り上げは88,437枚を販売している。香川県、岡山県の高校生全員に配布した無料引換券を利用したパスポートを含めると92,002枚だそうだ。

実行委員会の予算額は、20年度から22年度の3ヶ年で652百万円で、会期終了時の収支見込みは、収入793百万円、支出689百万円と、104百万円の余剰金を出している。

来場者のカウント方法は、基準施設を24カ所設けて、来場者の合計を集計している。そのため、一人が3島を巡った場合3カウントになるという。

それにしても105日間の開催で、93万8千人の来場とは凄い!
阪南大学の吉兼教授が、「最近の若者は日常で人間的つながりを嫌い、非日常のなかでの人間的つながりを求める傾向がある」と分析されていたが、非日常体験とはいえ、人間的つながりを求める傾向が出てきたことは、明るい兆しだと感じる。

『瀬戸内国際芸術祭2010』総括報告(H22年12月20日)
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