『なにわ大賞』は、なにわで一番のいちびりな活動をしている人を、いちびりな人が集まって、『なにわ大賞』選定し、表彰するというイベントです。
何かこのように紹介するだけでワクワクしてきます…

さて、昨日は大賞を受賞された阪南大学教授の松村嘉久先生の活動をご紹介しましたが、今日は、準大賞、特別賞の方をご紹介します。

準大賞:岡本 巧さん
岡本さんは1945年生まれ、元味園電気部棟梁。キャバレー等の内装等を50年間にわたり作り上げてこられた方です。もの作りが好きで、約10年前から電車の模型製作を始め、図面も書かずに記憶だけで製作されるといいます。
当日も南海電車の「ラピート」や阪堺電車の模型をはじめ、味園ビルの精巧な模型が展示されていましたが、再現されたキャバレーは特に注目が集まっていたようです。

準大賞:明治安田生命 関西を考える会
昭和51年、明治生命の大阪勤務の有志が集まり「地域に貢献できる記念活動」としてスタートし、毎年テーマを決めて、様々な活動をされている方からボランティアで原稿を集め冊子にする活動を続けておられます。
今年6月に発行された「探検!関西の近代遺産」の冊子等も拝見しましたが、見事な内容でした。

歴史文化特別賞:猪飼野探訪会 足代健次郎さん
古代、また現代と朝鮮半島と深いつながりのある猪飼野の文化を検証してこられています。「文化を考える会」で『ニッポン猪飼野ものがたり』(批評社)を発刊。また『王仁博士「難波津」の歌と猪飼野』(アットワークス)を刊行されています。
私もコリアタウンを足代さんに案内してもらったことがありますが、その知識量と的確な説明に舌を巻いたことがあります。『大阪あそ歩』のジャンパーでメンバーとともに受賞されていました。

めざせロボットのまち特別賞:でんでんタウン電子工作教室
日本橋(にっぽんばし)の電気屋のおっちゃんが、子供たちにもの作りの楽しさを伝えるため始められた工作教室。2003年から毎月開催。市販のキットを組み立てるのではなく、発明家を目指した自由発想工作が特徴と言います。ロボカップジュニアでは毎年世界大会優勝者を生み出しているそうです。当日も、小学生が作った紙相撲ロボット等が展示されていました。

伝統産業特別賞:(株)中尾シェル
漆器の貝細工『螺鈿(らでん)』の材料製造を行っている昭和10年創業の会社です。大正4年の高石市には150軒のどの鮑貝製造工場があったそうですが、現在は、日本でここ1社のみといいます。貝細工に利用するため鮑貝を約0.1mmの薄さまで砥石を変えながら削るそうで、貝の形が違うため、全て手作業でなければできないといいます。
当日も螺鈿細工された作品が展示されていましたが見事なものでした。螺鈿細工はマスコミもよく取り上げますが、その材料となる鮑貝の製造が中尾シェルさん1社と聞いて驚きました。

なにわのウェスタン特別賞:なにわのガンマン 浅野純一さん
2001年に仲間と『日本ゴム銃射撃協会』の大阪支部を立ち上げられ、割り箸のゴム銃だけでなく様々なゴム銃を製作され、ゴム銃をもとに地域の活動等に参加され、大人も子供も楽しむ交流の場を提供されています。
当日、浅野さんはウェスタンハットのスタイルで登場されていましたが、展示されたゴム銃にはラチェット機能を組み込んだ連発銃等、見事な銃が並んでいました。

まちづくり特別賞:(株)松井 泉さん
堺の老舗穴子屋さんです。食材としての穴子の普及に尽力するだけでなく、「穴子をテーマに堺のまちおこし」の活動を続けておられます。
『穴子バーガー』をはじめとする穴子メニューを開発したり、堺界隈の穴子グルメと史跡を巡るラリーマップを自社負担で制作したり活動されています。
昨年、制作されたラリーマップを拝見したことがあり、これだけ穴子グルメがあることを再認識した記憶が蘇ってきました。

バリアフリー特別賞:プチハウスなな 栂 紀久代さん
「大阪の町をユニバーサルデザインの街にしたい! 災害弱者(要援護者)の命を守りたい!」という一心で、超ハイテク車椅子で走り回っている肝っ玉母さんです。ご自身が車椅子を使う身になり、災害弱者の避難誘導は誰も考えてくれないと、『放置自転車一掃プロジェクト』と銘打ってモデル地区を作り、今は、大阪市全体に広がる活動をされています。
当日も唯一、車椅子の受賞者で参加されていましたが、笑顔の素敵な方でした。

やはり、他ではお聞きすることの少ない活動をされている方ばかりで、このような人に支えられているのだなあというのが実感でした。この『なにわ大賞』が16年も続いていることこそ不思議で、浪速のいちびりの素晴らしさを感じる1日でした。

http://www.naniwa-meibutsu.com/prize.html