オーストラリア、巨額資金投じ中国人旅行客へ大規模宣伝、「WiFiは少ないけどいらっしゃい!」―豪紙
(Record china 2019年3月11日)
https://www.recordchina.co.jp/b693595-s0-c30-d0145.html

オーストラリアが中国人観光客を呼び込むため、中国国内で約4億円かけた宣伝を行うという。
オーストラリアを訪れる観光客は中国人が最も多いが、昨年、外交関係が緊張状態にあったため、中国市場を引き付けなくてはならないとした。
オーストラリアの奥地を旅行するのに障害となるのは、1位は時間、2位が費用、また無料WiFiが少ないことも挙げられている。

【ポイント】
観察者網は豪紙「ブリスベンタイムズ」の報道を引用し、「オーストラリアが500万オーストラリアドル(約4億円)をかけて中国人を呼び込むための宣伝を行う」と伝えた。
記事では、「オーストラリアは安全。無料WiFiは少ないがぜひ来てほしい」と述べられている。

オーストラリアを訪れる観光客、留学生はともに中国人が最も多い。中国人観光客だけで年間115億オーストラリアドル(約9000億円)貢献している。しかし昨年、両国の外交関係が緊張状態にあった際、「経済が影響を受けるのでは」と懸念の声が上がった。

オーストラリアは政治的な影響を避けるため、中国の街中の看板や地下鉄の駅で観光客誘致のための大々的な宣伝活動を始めた。色彩豊かな自然の景色、ワニの写真、中国語で「道不尽的澳大利亜(語り尽くせぬオーストラリア)」という文字などが注目を集めている。
宣伝には、オーストラリア政府観光局が328万オーストラリアドル(約2億6000万円)、178万オーストラリアドル(約1億4000万円)はオーストラリア航空などが拠出した。

オーストラリアの貿易・旅行・観光・投資相は「オーストラリアは中国の旅行客にとって魅力的。われわれは新しい方法で引き続き中国市場を引き付けなくてはならない」とし、「過去10年間で、若い個人旅行客が増えた。個人旅行客の滞在時間は団体客の約3倍。オーストラリアの奥地へ行ってもらえる良い機会だ」と述べたという。
中国人観光客にとって「オーストラリアの奥地を旅行するのに障害となるもの」として、1位は時間、2位が費用であり、中国では「オーストラリアの奥地へ行くのは危険」という認識を持たれていると紹介。

中国のミレニアル世代(1982年から2000年までの間に生まれた人)の半分はSNSを利用しており、WiFiがなければリアルタイムで旅行の体験をシェアすることができない。オーストラリアに無料WiFiが少ないことは一つの大きな障害になっていると分析。

中国国営新華社通信傘下の「環球雑誌」の記事で「オーストラリアの奥地へ行くにはあまりにも距離が遠く、交通手段の選択肢が少ないことも問題」と伝えた。「オーストラリアの鉄道路線は少なく、車両は古く、また時間がかかる。現在オーストラリアの主要な移動手段は飛行機で、奥地へ行く際は主に車を利用する。鉄道は農作物などを運ぶには良いが、旅行客の利用は少ない」との指摘があるという。