オーストラリアでの「日本酒アワード&フェスティバル」大盛況!
〜日本大好き人間 大集合! オーストラリア人の訪日旅行も好感触〜
JAMS,TVの遠藤烈士さんの報告
(第49回 観光のひろばZOOM 2022年10月25日)

【ホッシーのつぶやき】
遠藤さんの報告で、何故、オーストラリア人の訪日観光が増えているのか、何故、日本酒や日本食の需要が伸びているのかがよく分かります。
日本の経済は厳しい局面に入っていますが、オーストラリアは30年にわたり経済が右肩上がりで、国民も豊かです。故に観光に出かけ、豊かな食や生活が送れるようです。
訪日旅行で富裕層が注目されていますが、相手国の経済を見抜く必要があるようです。
(良きレポートなのでご覧ください)

【 内 容 】

 オーストラリア・シドニーから日本酒のイベントについてお話しさせていただきます。
コロナ中は観光が止まりましたが、代わりに日本食であったり、日本酒のプロモーションの機会をたくさんいただきました。2022年2月にコロナの規制が緩和され、イベントが開催できるようになったので、日本酒イベントの企画を始め、9月と10月にイベントを開催しました。

 前提条件ですが、オーストラリアの日本酒の輸出高は金額で世界第7位、輸出量は世界第8位で、カナダとオーストラリアが競っています。1位はアメリカ、そして中国 台湾、韓国、香港の順になっています。
 2009年は0.96億円で、2021年は7.3億円で760%の成長になります。2020年から2021年には148%に急伸しており、コロナ禍で輸出が伸びたことが背景にあります。今年も10%弱の成長になっています。

 日本国内では、日本酒の生産量・消費量が減少していますので、オーストラリアとは真逆の状況です。
 オーストラリアでなぜ日本酒が伸びているのかについてお話します。オーストラリアは約30年近く経済がずっと伸びており、所得も増え、物価も上がり、毎年インフレの状況にあります。そのような中、オーストラリアでは所得も上がり、お金を持っており、休暇も十分に取れる状況にあり、 日本はオーストラリアから近い国になり、親日家も多いので、訪日する観光客もすごく増えたという背景があります。
 そのような中で日本食に対するニーズが高まり、日本食レストランもたくさんあります。訪日観光するオーストラリア人もどんどん増え、日本でいろいろな日本食を食べるので、オーストラリアに戻ってからも日本食を食べたい、日本酒を飲みたいというニーズが高まっていました。
オーストラリアは日本酒の普及期にあります。今はブランディングが必要というステージにあると考えられます。

 そこで弊社は「どうしたらいいのか」を考え、日本酒の国際コンクール「オーストラリア酒アワーズ」を立ち上げ、9月に開催しました。また「酒フェスティバル」を10月に開催いたしました。

 何故2つなのかですが目的は同じです。先ほど申し上げたブランディング、日本酒の認知度を高めるということです。ただ、その2つで対象となる人が違うのが、2つのイベントを作った理由です。コンクールに関してはお酒を売る人に注目しています。フェスティバルはお酒を飲む人、消費者に焦点を当てています。対象が違うので2つのイベントを開催したのです。
何故、コンクールで販売員なのかというと、販売員の方に審査員になっていただいたことです。コンクールの審査員に65名が集まりました。その審査員には輸入業者さん、卸業者さん、小売業者さん、飲食業者さんになっていただき、日本人が1/3、アジア人が1/3、白人の方が1/3という構成でした。また日本酒の利き酒師の資格を持っている方にも集まっていただきました。結果からお話しすると、9月17日に196銘柄を日本から出品していただいて、審査員が審査して、53銘柄の 受賞者が選ばれました。審査は、ブラインドテイスティングで、オンラインでスコアをつけるという方式です。

 「日本酒フェスティバル」の方は10月1日に開催して、来場者千人でお酒200銘柄が出品されました。
 また日本食のお店も出店してもらい、お猪口や徳利などの酒器を販売される方、あとは書道の展示会も2社で開催しました。フェスティバには一般のお客様に約6千円のチケットを買っていただいて入場してもらいます。200種類の日本酒を試飲し放題で、お持ち帰り用の日本酒を購入できる仕組みでした。輸入業者さんが売りたい日本酒を展示していただくというものです。日本文化×日本酒×日本食というテーマにしました。

 ここから何故観光なのかということをアンケート結果からお伝えします。
面白いと思った1つ目は、フェスティバルに来た方の65%が40歳以下だったことです。日本では若者の日本酒離れが言われていますが、フェスティバルでは40歳以下が65%でした。2つ目は、日本では男性の方が女性より酒を飲むと言われていますが、フェスティバルへの参加は女性の方が多く58%でした。3つ目は年収、7万5千ドル(712万円)以上の方が53%でした。12万5千ドル(1187万円)以上の方も18%おられて、高所得者の方が半数を占めていました。

フェスティバルに来られる方で「日本に行ったことがある」方が90%で、日本ファンの方がフェスティバルに来られているようです。また、今年または来年に訪日の予定がありますかと聞いたところ、「日本に行きます」が70%です。「多分行きます」が25%で、合計95%の方が「今年から来年に日本に行く予定がある」と答えているので、日本酒フェスティバルと観光の相性は非常に良いということが分かりました。

最後に「どのいくらフェスティバルで使いましたか」とお聞きしますと、200ドル(1万9千円)以上が半数で、500ドル(4万5千円)以上使った人も7.6%いました。入場料が6千円で、そのうえお持ち帰りのお酒を買い、日本食も買っておられました。

フェスティバル1日の来場者が千人で、全体で10万ドル(950万円)使われたというのが、イベントの結果でした。来場者の満足度も90%の人が7点以上という高評価をいただき、出店者も来場者もハッピーなイベント開催になりました。