キャッシュレス還元、どうだった?
(NHKサクサク経済 2020年6月30日)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/articles/20200630.html?utm_int=news_contents_special_001

キャッシュレス決済導入店舗は115万店で、対象店舗の6割近くにのぼるという。
キャンペーンが終了しても、参加店舗の9割がキャッシュレス決済を継続するといい、消費者も8割が利用を続けると回答しているが、今後、店舗側が負担する手数料を心配する声がある。
キャンペーン期間中、決済手数料は上限3.25%だったが、制度終了後、主要な決済事業者の4割が、手数料を引き上げるという。
店舗側の決済手数料は5%〜7%が相場とされるといい、確かに負担が重い。
キャッシュレス化により現金コストも縮小することになると思われるが、今後の成り行きを見たい。

【ポイント】
6月30日で「キャッシュレス決済のポイント還元」が終了しました。
このキャンペーンで、キャッシュレス決済の導入店舗は115万店。当初想定の倍以上で、対象となり得る店の6割近くにのぼります。
経済産業省が参加店舗などを対象に5月に実施したアンケート調査によると、制度の終了後も参加店舗の9割がキャッシュレス決済を継続するとし、消費者も、ポイント還元が無くなってもキャッシュレス利用を続けると8割が回答。

経済産業省のアンケート調査で、参加店舗に売り上げに効果があったか聞いたところ「効果があった」が4割、「効果がなかった」が6割となった。
理由は、店側が決済事業者に支払う「決済手数料」。中小の店舗にとっては、売り上げから手数料を引かれるのは負担です。キャンペーン期間中、決済手数料は上限を3.25%に抑えられていた。しかし制度終了後、主要な決済事業者400社のうち4割は、手数料を引き上げる方針です。
中小の店舗の、決済手数料は5%から7%程度が相場とされ、負担がかなり増えると見込まれます。
キャッシュレス決済の導入をやめてしまう店舗も多く出てくるのではないかと懸念されています。

国内の決済手数料は海外と比べても割高だといい、これを是正しようと、経済産業省は決済事業者に手数料の情報を公開するよう求めています。官民団体の「キャッシュレス推進協議会」のホームページ上で一覧として公開し、各社の手数料を比較できるようにして、競争を促すねらいです。
中小店舗では決済事業者との個別交渉で手数料が決められ、根拠が不透明だという指摘もありましたので、改善に向けた一歩と言えます。

決済事業者から店舗側への売り上げの入金も課題です。店への入金が月に1度という場合も少なくなく、キャッシュレス決済の比率が上がっていくと、店舗によっては仕入経費の支払いで手元の現金が減り、資金繰りが厳しくなる懸念もあります。
このため、入金頻度の情報も公開するようあわせて求めている。
海外では手数料を法的に規制しているケースもあり、キャッシュレス決済をさらに広げていくためには、日本も法的な規制を検討すべきだという意見もあります。