昨日『テーマパークビジネスとMICE』について、USJのM部長のお話をお聞きした。

USJは、2期連続大幅なゲスト(来場者)の増加で、昨年度、来場者累計が1億人に達した。 2010年から2011年に16%、2011年から2012年に12%来場者が増加しているという。特にノン関西の来場者が2年間で26%増加しているそうだ。

USJのマーケティング戦略としては、当初、ハリウッド色を全面に押し出していたが、必ずしも日本のニーズに合わなかったため、2004年にファミリー層や独身女性客をターゲットに切り替え、キャラクターを重視したブランドに変更した。
関西エリア内のマーケティングは、質の高いコミュニケーションを重視するといい、ノン関西エリアへのマーケティングは「USJ旅行」そのものを訴求するという。ノン関西に対するライバルは沖縄であり北海道であり、そのような地域の楽しみ方との差別化を意識している。訪日外国人へのマーケティングは、大阪を中心とした訪日観光客に「USJへの立ち寄り」を訴求するという。大阪への訪日観光客の45%がUSJに来場されているそうだ。

ターゲット戦略としては、ファミリー層と若年女性層をターゲットにした両輪戦略を踏襲しており、これから先は、価値観、ライフスタイル、性格、嗜好など、ベネフィットに合わせる必要性を感じているという。

MICEを考える上でも、ライブエンターテイメント性やスケール感が大切だと考えている。USJでは、これまで最大で3万人の貸し切りを行っており、数千発の花火ショーで数億円という事例もあるそうだ。
企業のインセンティブ旅行も多様化しており、最大公約数として満足度が高いのはテーマパークだ。また、家族同伴の取り組みも増えており、ファミリーに満足感の高いのもテーマパークの特徴といえると述べられた。
インセンティブ関連も、この3年間で+75%となっているという。

全米のMICEで訪れるのは、1番がシカゴ、2番がオーランド、3番がラスベガスだそうだ。
オーランドはコンベンション都市であり、大型イベントが開催されている。オーランドの特徴は、①運営費の自主財源の確保=観光税(当初2%、2012年から6%、175億円) ②パートナー連携 ③官民一体化した営業活動の推進があげられるという。
オールインワンWEBサイトによる情報提供。ホテルの稼働率が評価基準だともいう。

MICEを考えるうえで、国際会議場、展示場のスペースやハードだけでは魅力のある会場とならない。休暇を楽しむエンターテイメント施設も充実していなければならないと思う。