米国経済復興・観光需要復興の現状考察に基づく日本の経済・観光需要復興の仕掛け方(2021年7月)
(原 忠之先生のnote 2021年8 月1日)
https://note.com/tadhara3/n/n06b0df340ba7?fbclid=IwAR0tYJdXpUebBkPn6s-w1lemJbUW1WTlQQm3-87Rn7UW2tmeQEkBTGkVQn4

【ホッシーのつぶやき】
セントラルフロリダ大学 准教授の原 忠之先生の素晴らしいレポートです。
日本でもワクチン接種が始まる前の4月は重傷者病棟が飽和状態になり、自宅療養する人が増えましたが、5月以降のワクチン接種で重症者も大幅に下がりました。
今回のレポートでは、アメリカでは経済が急速に復興し、賃金上昇が起こり、非正規雇用者との格差問題が解消に向かい、デジタル化が進展して、人でなくてもできる業務のデジタル化が大きく進展していること、そして同じようなことが日本でも起こる可能性が高いとの指摘です。
それにしても、年収10万ドル以下のアメリカでの個人給付金で、当面の支出である食料品、家賃、光熱費に使っているのは50%であり、借金返済や貯蓄に回すのが40%ほどあり、「給付目的から見て貯蓄や借金返済に回すのはおかしい」と感じていましたが、ワクチン接種が進んだ今年の3月以降、憂さ晴らし需要が急増したといいます。
これは日本でも、消費が減り貯蓄が増えた分、憂さ晴らし需要の起きる可能性が高いと感じます。
米国の死亡者数はピーク時3,400名超/日で、現在318名。日本の死亡者数のピーク時115名/日で、現在10名/日であること、日本の2020年の年間総死亡者数は1,384,544名で、COVID-19での7/29現在の総死亡者数の1.1%にすぎないことも冷静に見ていきたいものです。
(要点抜粋なので、是非、本文をお読みいただきたいと思います)

【 要点の抜粋 】
2021年春から米国経済は個人消費の急復興により外食や観光関連産業セクターで人材不足が顕在化するほどに好調なのですが、何故米国経済がそうなったのかについての情報が日本で欠如していると感じます。米国が如何に劇的な経済復興を計画し実行したのかが解れば、日本でもその処方箋をベースに根拠ある楽観論を持ち、実行する事が出来ます。

一番苦しんでおられる外食、宿泊産業や観光関連産業の方々に、「明るい未来は自分達で創れる事を具体的に提示する」のがこのNoteの重要な目的ですが、同時に経済復興が想定通りに実行出来た場合、短期間で経営上の構造的問題が顕在化する(=うれしい悲鳴状態になる)点を事前にお伝えする事で、準備を促す意図もあります。

前回も具体的な数値でお伝えしたように、2021年7月22日現在の数値では、世界各国の中で最高の感染者数(35百万人)と死亡者数(65万人)を計上しているのが米国です。2021年の1月が感染者数・死者数ともにピークでした。

2020年11月に就任した新大統領の公約の一つが「就任100日で米国民に1億本のワクチン接種を行う」でしたが、これは前倒しで58日目に実現しました。
7月21日現在では、米国内の56%がワクチン一回接種済、2回接種完了は49%となっています。
感染すると重症化や死亡確率が高い高齢者に優先的に接種したため、50歳超の接種完了率が高くなっています。

何故、高齢者を優先的に接種するのかについては、日本では「感染者数を減らすためには、若年層から接種したらどうか」という意見があるのは把握していますが、米国は「死亡者数抑制が最優先政策目標」である点がブレていません。
最優先政策目標である「総死亡者数抑制」により、今年1月に一日の死者4千人を超えた日が何日かありましたが、最新の7/21で平均250名に抑制され、経済復興政策を継続出来るという政策選択肢が確保されました。この「総死亡者数抑制」には、高齢者ワクチン接種優先政策が貢献している訳です。感染したら若年層と比較して死亡確率が95倍高い65歳以上層は既に7割が2回接種完了し、1回接種者だと8割を超えています。

経済復興・観光需要復興の背景

Y (GDP) = C + G + I + (EX - IM)
GDPは、個人消費+政府支出+企業投資+(輸出-輸入)になります。

日本の場合、Cが54%、Iが25%、Gが20%で貿易が1%
米国の場合、Cが70%、Iが18%、Gが17%で貿易が-5%

「個人消費が国の総生産に一番大きな影響力を及ぼす」という事です。

将来に不安を感じる時に大きな買い物や旅行はしないですよね。
その「個人の消費動向、意識・心持ち」が米国経済と観光需要急減・急復活の大きな要因なのです。
COVID-19が米国経済に暗い影を落とし始めたのは2020年3月頃で、一気に15~20%程度落ち込んでいます。
個人の消費抑制の直撃を受けたのが、外食レストラン産業、芸術エンターテインメント産業、宿泊産業、及び観光関連産業です。

個人消費急降下は米国では過去形で語れる話になっていますが、一方で日本ではホスピタリテイ産業群はまだ直撃を受けて、じっくり耐えている方々が多いかと思います。

COVID-19下の個人給付金とその資金使途データ

COVID-19による経済的な苦境に対して、米国連邦政府から個人給付金が給付されました。
3回合計で$8,500億ドル(93兆5千億円)と米国GDPの約4%に相当する現金を直接に国民個人にStimulus、経済刺激金という名目で給付しました。日本のGDP500兆円にとっては20兆円というイメージです。

政府の意図が「COVID-19による苦境に喘ぐ国民を助けよう」という事ならばこの表の濃い青の部分が各種費用に使われた比率なので、年収が10万ドル(1,100万円)以下の世帯、上から5番目の列までは受領した給付金の50%以上を当面の支出、例えば食料品購入や借家の家賃支払、光熱費支払等に使っているので連邦政府側の意図通りだった訳です。薄い青、空色の部分は既存借金返済、赤い部分は貯蓄です。このデータを見ると一部の人は「消費に全額回らない分、特に借金返済や貯蓄に回る分は無駄だ」と思われるかもしれません。GDPが約500兆円の日本は、政府予算が100兆円な一方、税収は60兆円なので、自分で稼いでいる収入以上は使うべきでないというプライマリーバランスを重視する人達はそういう発想になる可能性はあります。

この給付金の中で、貯蓄と借金返済に回った、一見無駄な部分が観光需要復興と経済復興に素晴らしい活躍をしてくれることになるとは、たぶん第一回の給付金交付時点では気づいていた人は多くなかったのではと推察します。その後第二回、第三回も合わせての資金使途を見ましょう。(表9)

第一回目のCares Actによる給付金は即座に消費に回った部分が3/4で貯蓄と借金返済に回った分は1/4に過ぎなかった訳です。ところが、第二回目のCconsolidated Appropriations Actによる給付金では消費に使われたのは22%,で78%は貯蓄と借金返済に回ったのです。更に第三回目のAmerican Rescue Plan というバイデン大統領就任後に実行された給付金では、即座に消費に使われたのは19%, 残り81%は貯蓄と借金返済に回ったのです。短期的なプライマリーバランス派からすると、「空腹を満たす最低限の食事を与えればよいのに、豪華な高栄養分の食事を与えて無駄だ」とお叱りを受けそうな資金使途です。
皆様のイメージからすると「貯蓄せずに気前よくすぐ使ってしまう米国人」です。

COVID-19の直撃と政府給付金によりその消費者行動が突如変貌したのです。収入の10%も貯蓄をしなかった米国人の貯蓄率が突如30%超まで跳ね上がり、その後も15~20%程度の貯蓄率となっているのです。

表10:個人貯蓄率の推移表

COVID-19下で、米国人は貯蓄率の急上昇に加えて、個人の借金返済が進んでいるのです。

米国の第一回目の給付金はその半分以上が即座の消費に使われましたが、第二回目と、特に金額の大きかった第三回目はその半分以上が貯蓄と借金返済に回りました。
つまり、「将来の不安に対する準備金として備蓄しておこう」という消費者行動です。

貯蓄はシンプルに将来への備蓄と理解しやすいですが、では借金返済が将来の不安に対する準備金に見なされるというのはどういう意味でしょうか? 米国の場合はクレジットカードの利用が盛んですが、クレジットカードにはその名前通り、信用(クレジット:短期貸出)を金融機関が与える、与信という機能があります。日本でよくある一括払いだとそういう感覚にならないですが、米国の場合はアメリカンエクスプレスのような一括払いが基本のカード以外の多くのクレジットカードでの買い物は分割払いとなるのが基本です。つまり100万円なり500万円なりの上限(与信限度枠:個人の信用力により変わります)までは、自分の手元に現金が無くても消費が出来てしまうのです。すると、現在の借入残高の一部でも返済しておくと、「何か有った時の借入余力・準備が増えた」という感覚であるが故に、将来の不安に対する準備金が増えたという感覚になるのです。

特に最後の金額の大きい個人給付金(American Rescue Plan: 大人も子供も一律一人$1,400)が各自の銀行口座に振り込まれたのは2021年3月から4月であり、高齢者ワクチン接種のペースが上がってきた時期と一致します。

高齢者ワクチン接種優先接種進行による重症者・死亡者減による不安感減少

2021年4月初めには一日の全米接種数が3百万本を超えるペースとなり、最多の日には一日4百万本が高齢者優先で接種され、それが国民に広く報道されました。
高齢者への接種が行き渡った後で、国民、外国籍居住者にも広くワクチン接種が開放され、居住者証明無に、つまり旅行者でも無料でワクチン接種が出来るようになり、同時に薬屋チェーンの簡易医療所でも予約無での来訪者にワクチン接種が出来るという宣伝も始まりました。

また、ワクチン接種完了した高齢者中心にSNSに「ワクチン接種完了した!」「1年半会っていなかった孫と会えた」という写真がアップロードされるようになり、見ている人達のCOVID-19に対する不安感が少しずつ減少し、街の雰囲気が徐々に明るくなります。
かつてのワクチン懐疑派だった人達の比率も減少してきます。国勢調査局の調査によると、2021年1月にワクチン接種に懐疑的だった米国民は全国民の22%、これが3月には17%に減少しています。

COVID-19への不安感が減ると、国民はどういう行動に出るでしょうか? いよいよ米国観光産業急復興・経済復興がなぜ起こったのかの核心部分に繋がります。

消費行動の変化と消費支出先・借入需要増加の理由

高齢者ワクチン接種優先が進み、重症者数と死者数が目に見えて減少し、街の雰囲気が明るくなると、「将来の不安に対して備蓄していた現金と借入余力の必要性が減った」と感じて、それが一気に「今まで我慢していた分、憂さ晴らしだ」という行動に出ます。

「多くの人は解雇されることを心配しているときにお金を使いたくありませんでしたし、他の人達は家に籠っている時には、買うものが何もありませんでした。 しかし、米国では予防接種がすぐに利用可能になり、経済が再開することで、多くのアメリカ人は昨年の落ち込みの後、新たに経済に自信を持ち始めています。 彼らは車、休暇、外食に費やしています。 特に自動車やトラックの小売価格上昇も、借入需要を刺激しました。 消費者信用の需要が大幅に増加し、18か月間も延期を余儀なくされた休暇旅行等にクレジット(短期借入)を利用する意欲が高まっています。」
住宅価格は上昇し、自動車需要も旺盛である一方、外食レストランと観光関連産業という、COVID-19で最も悪影響を受けたホスピタリティ産業セクターに、消費者が急速に戻っているのです。

2021年4月の米国、産業セクター別雇用増加状況を示したデータによりますと、4月に雇用が増加した産業セクターのトップ3は
(1)レストラン・バー(外食)産業 187,000人増、(2)芸術エンターテインメント・リクリエーション産業 90,000人増、(3)宿泊産業 54,000人増、です。(WSJ紙:2021年5月8日)
現金と借入余力を持つ消費者はCOVID-19の不安が減少とともに、外食、コンサート・美術館・イベント、娯楽、そして観光旅行への消費が急速に戻ったのが米国です。

これら産業はCOVID-19の直撃を受けて、売上が急減少し、政府の補助では足りずに、従業員を大幅にカットしていた訳です。その状態で売上がいきなり復興すると、労働集約型のホスピタリテイ産業ではいきなり労働力不足になります。
全米最高数の観光客が訪れるフロリダ州オーランドでは、時給は最低15ドル(1,650円程度)でも求人者が応募してこないため、サイニングボーナスという雇用契約書にサインする際に現金を貰えるオファーが2021年5月頃からホテル・レストランそして外食機能を持つ大手ガソリンスタンドでも出ています。

2021年1月頃からの高齢者から始まったワクチン接種進行による消費者の不安感減少が、個人給付金による現金と借入余力増により過去1年半出来なかった「外食、娯楽、観光」消費を押し上げた、これが米国観光需要急復興と経済復興の理由です。

日本の外食・芸術エンターテインメント・観光関連産業不況脱却への戦略試案

過去に類似例が無い、何が正解なのかわからない日本は、経済構造や政治体制(民主主義の先進国)が類似している米国の例をベースにCOVID-19苦境脱却戦略案を描いてみる事は有益でしょう。

米国経済は第二四半期(2021年4~6月)に年率換算で6.5%上昇し、第一四半期の同6.3%を上回りました。このような急速な個人消費回復を実現したのは高齢者から始まったワクチン接種進行と個人給付金交付ですので、それを日本でも実現したら良い訳です。7/29現在、日本の一回接種者は人口の38%、二回接種者は29%ですので、ワクチン接種開始が米国よりは遅く始まった割には順調に進展しています。特に高齢者優先政策を取った成果として、重症者と死亡者数は他国比で卓越した数値に抑えられています。

デルタ等変異種ウイルス感染者数が現在世界で上昇していますが、重症率・死亡率は抑えられています。最優先政策目標を死亡者数抑制にフォーカスするという米国を含む世界主流の基準と合わせれば、経済政策選択肢の幅が広がる外的環境にあります。
米国が7/29日時点で一回接種者57%、二回接種者49%、英国が70%、57%ですので、まずは一回接種者が人口の50%前後になるまではとにかく接種率を上げる事が短期的に最重要です。
重症率と死亡率の推移をより広く広報し、きちんと具体的な数値指標を目標として経済政策舵取りをする事が可能です。
因みに米国は一日の死亡者数ピーク時が3,400名超、現在で318名で、日本は一日の死亡者数ピーク時が115名、現在で10名と日米人口数の差を勘案しても超優秀です。
2019年と2020年の日本の年間総死亡者数はそれぞれ1,393,917名、1,384,544名で、COVID-19の7/29現在の総死亡者数15,173名は実は2020年の総死亡者数の1.1%です。

個人給付金はそれが米国のように2割程度しか即座の消費に回らなくても、残った貯蓄と借金返済分が実は経済復興の起爆剤になることが米国で実証されました。
ワクチン接種率が向上し、死亡者数が抑制され、経済制限緩和政策がどんどん取れるようになると、恩恵を受けるのは消費者が過去1年半出来なかった消費、つまり外食レストラン、芸術エンターテインメント、旅行・観光である事は米国事例から推察できます。

日本でもそれら産業セクターは明日まで生き延びるために変動費を最低限までに切り詰めているはずです。するとレストラン・ホテル産業の最大の費用項目は「人件費」ですので、これを相当切って組織生存を図っていた場合が多いはずです。その切られた人件費は大部分が非正規雇用者だったはずです。
労働力最低限まで切り詰めていた経営者は、消費者の需要が戻ると嬉しい悲鳴とともに、いきなり訪れる労働力不足問題に対処しなくてはなりません。ところがその時点で以前の時給では首を切られた記憶が新しい非正規雇用者は戻りませんので、市場全体の人材需要が供給より多い場合は労働の価格、つまり時給が急騰したのが米国でした。これは日本も同じ問題が発生するはずです。経営者からしたら「人手不足」は大変に頭の痛い問題です。

大きな視野で俯瞰すると、COVID-19後の短期的な問題は、実は「低賃金で長時間労働」という評判を過去数十年受けていたこれら産業セクターであるレストラン業・宿泊業・観光業にとっては20-30年に一度しか訪れない評判改善の好機と考える事が出来ます。

市場での労働力不足による時給の高騰は、過去20~30年の構造的問題であった低賃金のイメージを払拭する機会です。現在の最低賃金は都道府県別で秋田793円から東京都1,013円で平均は902円ですが、これを今年930円にすると聞きました。デフレの中で上げるという方向性は素晴らしいですが、経済原則からオーナー・経営者負担増を理由に反対する人が居るのは理解出来ます。但し、現在の902円の最低賃金で一日8時間、週5日、有給2週間の日本人が税引前でどの程度の年収になるかと言うと、年収180万円、月収15万円です。これで十分な生活水準の質が現在の日本で確保出来るのでしょうか?

日本国内の状況を海外から俯瞰して大いに懸念する状況を指摘します。それは非正規雇用者の状況です。(情報源:「2019年平均給与は436万4000円…給与や賞与の実情をさぐる(2020年公開版)」(表18)https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20201002-00201144)

正規雇用者と非正規雇用者の年収差が大きく、また性別による年収差も存在する結果、女性非正規雇用者の平均年収が152万(月12万6,700円程度)と最低賃金以下の人達が存在する事です。またこの非正規雇用者数は何と日本の総雇用者数5660万人中の38%に当たる2165万人と無視できない大きなシェアです。非正規雇用者の女性が世帯主であるような、シングルマザーである場合、その年収で扶養家族が居る訳で、かなり苦しい生活になる事が十分想像出来ます。
この非正規雇用者の勤務先として実はレストラン業・宿泊業・観光業が多い、それは、良く言えば受け皿になって雇用を供給している、別の言い方をすれば、低賃金の非正規雇用者の労働力の存在を前提にした経営状況を過去継続して来た訳です。

レストラン業・宿泊業・観光業が日本国内の構造的問題を解決の方法に動かせる好機がCOVID-19の危機の後に訪れる可能性がある訳です。

日本の富裕層294万人が100万円ずつ余計に消費するのと、日本の非正規雇用者2165万人が20万円ずつ余計に消費する経済効果を比べたら、実は後者の方が倍近くあったのです。日本経済を国内需要で刺激するには、非正規雇用者の年収を上げて、年に20万円余計に稼がせてあげれば、それで自動車のタイヤ新品にしたり、家族にプレゼント買ったりパソコン・テレビや携帯電話買替の消費能力が出てきますので生活水準向上に繋がります。

COVID-19の危機の後に訪れる消費需要急増の副作用として人件費高騰を上げましたが、もう一つあります。
レストラン・宿泊業・観光関連産業という労働集約型産業での労働力不足の対策として、米国で急速にITの設備投資が増えています。これは数年前から米国で大手レストランチェーンやホテルチェーンでも試行していましたが、IT機器を使って人間の労働軽減を図る事で、同じ売上をより少ない労働力で対応させています。
例えば、レストランで「メニューを給仕者が持ってきて後にまた貴方のテーブルに戻り、注文をメモし、それを復唱した後でキッチンに注文を伝達し、食事終了後はまた給仕者が勘定を持参して、それに対して貴方のテーブルか会計レジに貴方が歩いて、給仕者が精算をする」という一連の行為があります。これをiPadのような物を導入する事で全廃することが出来ます。

ただこれは、労働集約型産業の従業員は、社会人教育・継続教育によって変貌する各職種に必要なスキル・知識を習得しないと、時代の流れに乗って各個人が収入やポジションを自分で上げていく流れに乗れないという事になります。

ワクチンパスポート制度で日本人の欧米往訪実績が積みあがると、「ワクチン未接種の日本人よりもワクチン接種済者の方が安全安心だ」という事が冷静に理解出来る人が増えてくるはずです。
そうなると、日本人のCOVID-19危機後の消費行動が沈静化する時期に、この欧米インバウンド客消費が日本国内で発生するので、消費復活が上手く持続出来る可能性があります。
漢字圏のゲストがインバウンド客全体の7割超だったCOVID-19前とは様変わり、より長期滞在で結果として消費総額が高い、漢字が読めない欧米インバウンド客中心に先行して来訪復活する事で、「量より質」(入込客数ではなく消費総額を指標にする)が自然と実現することになると思います。

「清潔で医療水準が高く、自然と歴史資源が豊富で治安も最高水準の日本」という認識を世界に持ってもらっている日本は、オリンピックでブランド認識度が上がっていますので、こちらも凄いチャンスがあります。

COVID-19感染による後遺症の質問への回答
COVID-19そのものに感染した場合の後遺症は多くのケースが記録されています。呼吸器系だけでなく、記憶力低下やご指摘の疲労感や障害が残るので、医者からするとワクチン接種で多くが防げた点、残念だというトーンです。