IATA、航空旅客の需要回復は2024年と予測、2019年レベルへの回復は当初予想から1年遅れに
(トラベルボイス 2020年7月31日)
https://www.travelvoice.jp/20200731-146749

世界の航空需要も、新型コロナウイルス発生以前の2019年への回復は、1年遅く2024年になり、短距離路線も1年遅い2023年になる見込みだという。
また、航空貨物の回復も前回予想より遅れている。
経済を回す必要があるが、航空需要の落ちこみは、あらゆる需要が停滞していることを窺わせる。

【ポイント】
国際航空運送協会(IATA)の世界の乗客予測最新版によると、旅客需要は、新型コロナウイルス発生以前の2019年レベルの回復は、前回予測よりも1年遅い2024年になる見込みだという。
短距離路線の需要は長距離路線よりも早く回復するが、2019年レベルの回復は、前回の予測から1年遅い2023年になると予測した。
要因として、アメリカおよび発展途上国でのウィルス封じ込みがうまくいっていないこと、出張需要が減少していること、旅行者の安全性の信頼が不十分なことを挙げている。

2020年6月の旅客輸送も予想より回復は遅く、需要を表すRPK(旅客キロ)は前年比85%減。
5月の同91%減よりは若干回復を見せた。これは中国の国内線需要が改善したことが大きな要因。
このような状況から、IATAでは2020年の世界の旅客数は最終的に同55%減になるとし、その予測は前回予測の同46%減よりもさらに悪化した。
2021年の旅客数は、2020年比62%増と予測するが、2019年比では30%減にとどまる。

IATAは、航空旅客だけでなく、航空貨物の回復ペースも前回予想よりも遅れているとしている。
6月のCTK (貨物トンキロ)は前年比17.6%減。5月の同20.1%減からは改善されているが、そのペースは緩やか。
ヨーロッパ(同27.2%減)、南米(同33.2%減)の落ち込みが大きく、アジア太平洋も同21.6%減となった。