世界の観光損失額が2009年金融危機の8倍に、本格回復は2021年第3四半期か、国連世界観光機関が最新動向を発表
(トラベルボイス 2020年10月28日)
https://www.travelvoice.jp/20201028-147402

【ポイント】
ヨーロッパの感染再拡大などの影響で、海外旅行の回復は2021年の第3四半期からと見ており、20%の専門家は2022年までずれ込むという。
今年8月までの、海外旅行者数は前年比で7億人減少。収益ベースで約7300億ドル(約76兆3700億円)の損失となり、2009年の金融危機の8倍にのぼるようだ。

【 概 要 】
国連世界観光機関(UNWTO)は、北半球で夏休み期間の7月は前年比81%減、8月は同79%減となり、依然として回復が見られない。今年8月までの海外旅行者数は前年比で7億人も減少。収益ベースでは約7300億ドル(約76兆3700億円)の損失となり、これは2009年の金融危機の8倍にのぼる。

今年1~8月の海外旅行者数は前年同期比70%減。アジア太平洋では同79%減、アフリカと中東でそれぞれ同69%減、ヨーロッパで同68%減、南北アメリカで同65%減とすべての地域で大幅な減少となった。

ヨーロッパでは夏休みに国境を徐々に再開したことから、7月は同72%減、8月は同69%減まで持ち直したが、感染が再拡大したため再び旅行制限や渡航注意勧告が発せられる事態になった。
こうした状況から、最終的に2020年は前年比70%減に落ち込むと予測している。

UNWTOの専門家パネルは、本格的な海外旅行の回復は2021年の第3四半期からと見ているが、専門家のうち20%は2022年までずれ込むとの見方を示している。

※ドル円換算は1ドル104円でトラベルボイス編集部が算出