中国で人気高まる日本への医療ツーリズム、トラブルも続出―中国紙
(Record China 2019年5月8日)
https://www.recordchina.co.jp/b708075-s0-c30-d0052.html

中国人の訪日医療ツーリズムが人気だという。
中国では病院の予約だけでも大変だと聞くので、海外の医療機関に関する問い合わせが毎年50%増加していることは理解できる。
しかし、料金が格段に低いタイへ行くパターンは大きくは変わらないのではないか。
医療ツーリズムは、専門通訳がいないと的確な治療内容が聞けないし、高い料金を請求する悪徳業者の横行も横行する話もあるという。

【ポイント】
中国で日本への医療ツーリズムの関心が高まる中、さまざまなトラブルも起きていると中国紙・法制日報が伝えた。

中国では、海外での医療機関に関する問い合わせが毎年50%増加している。
海外の医療施設を紹介する仲介業者も右肩上がりに増加。利用者層も、富裕層から徐々に中産階級に広がり、年齢も幅広くなっているという。

中でも日本は、医療レベルの高さや受け入れ態勢、医療費負担の公平性などから人気が高まっているといい、距離的な近さも手伝って、中国人の間で米国に代わる人気の医療ツーリズム目的国になりつつある。
日本が選ばれる理由について、「日本では治療と共に観光も可能であること」「医療レベルが先進的で信用があり、新薬や新技術、先進設備への期待があること」「外国人患者へのサービスの手厚さ」の3点を挙げた。

「日本政府も医療ビザ発給を拡大するなどして対応しており、患者の家族も繰り返し入国可能」「中国ではがんを発症してから5年後の生存率が31%なのに対し、日本は82%(※国立がん研究センターの統計では、08~10年にがんと診断された人の5年後生存率は67.9%)」と説明している。

こうした流れを受け、ビザ申請や病院予約、病歴整理、医学資料の翻訳といったサービスを行う仲介業者も増加。
日本で比較的重い病気の治療で患者が仲介業者に支払う金額は、およそ14万元(約230万円)から。ステージの高い患者の場合は100万元(約1600万円)必要になるそうだ。

一方で、業界関係者によると、仲介業者の中にはハイレベルな通訳ではなく、日本に留学している学生などを雇うところも少なくなく、医療関連の専門用語が分からず、病状をきちんと説明できなかったり、薬の用法用量を誤って説明したりするケースもあるという。
また、中国国内で日本の医療に関する大げさな虚偽宣伝も横行。完治への期待に胸を膨らませながら来日するも、失望して帰国というケースもあるようだ。

さらに、4万元(約65万円)程度で済む健康診断を含んだツアーを13万元(約210万円)で販売するなど、法外な値段を要求する業者や、日本の医療機関に直接支払うことができるにもかかわらず、手数料を得るために必ず自分のところを通して支払うように患者に伝える業者もあるという。

専門家は、「国がこうした企業の登記に一定のハードル(専門スタッフの雇用や医学知識の確認など)を設けるべき」との考えを示している。