「日本の都道府県の観光セールスに弱点あり」
(日経ビジネスオンライン 9月26日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140919/271481/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt

【ポイント】
・訪日外国人は6カ月連続で100万人を超え、年初からの累計は863万人となり年間最高記録の更新は確実です。なかでも中国は1~8月の累計で154万人となり、年間で最高だった2012年の142万5000人をすでに上回っている。
・海外旅行する中国人は2013年で年間9000万人に上り、2020年には2億人に達するとも言われ、日本への旅行者は2%程度だ。

・上海などに事務所を置いて誘致専門職員を置いている都道府県もあり、欧州も盛んに観光客誘致活動をしているが、都道府県ごとに予算がついて、売り込みに来るのは日本だけ。
 中国の旅行会社のスタッフに質問すると、都道府県ごとの差異化ができない、全部似たような観光地に見えるとの回答が返ってくる。
・北海道は、大きなエリア一つで北海道。細分化されていないうえ、売りは「カニ」と決めて、重点的にアピールしている。
・京都や富士山などゴールデンルートと呼ばれる観光地のポイントは、「分かりやすさ」です。
 外国人にとって分かりやすくて覚えやすいアピールポイントは何か?を常に探求することが大事です。

・最近の中国富裕層が好む海外旅行の条件は、「極力中国人に出会わないところ」と言われている。
・中国人向け宣伝活動の中心はネット。リアルタイムで情報発信できますし、中国はIT大国でインターネットとは親和性が高い。
・中国人が最も信用している情報は、新聞や雑誌などの紙媒体です。出所のしっかりした紙媒体の情報を欲しがる傾向がある。有料の旅行雑誌が発行部数を伸ばしている。さらに、プロが美しく撮影した写真も中国人には強くアピールする。

・インバウンドのターゲットを30代前後の女性に絞ることが多かった。今後、同行が増える子どもや高齢者向け商品が狙い目だろう。
・日本の百貨店やショッピングモールは、男女、年齢などでエリアを分けているが、中国では家族が一緒に店内を回るのが基本なので、みんなが一緒に見られるレイアウトに工夫しないといけない。