中国人海外旅行者が2021年には1億人に回復か、2022年は過去最多の1億8000万人と予測、コロナ前と異なる高品質旅行が人気に
(トラベルボイス 2020年12月2日)
https://www.travelvoice.jp/20201202-147642
トリップ・ドットコム、中国国内旅行の回復で財務状況も改善へ、売上高は前期比73%増、コスト削減で営業利益を確保 ー2020年第3四半期決算
(トラベルボイス 2020年12月3日)
https://www.travelvoice.jp/20201203-147652

【ポイント】
コロナ禍の2020年、中国の海外旅行者は前年の約10%、約1800万人の見通しだが、2021年は1億人、2022年には2019年の1億7000万人を上回り、過去最多の1億8000万人に達するという。
Trip.comの第3四半期(2020年7月~9月)の売上高は、前年同期比48%減の55億人民元(約876億円)となり、
中国の国内旅行の回復が進み、前期比73%増。当期利益は16億人民元(約255億円)で、前年同期の7億9300万人民元(約126億円)から大幅に改善したという。
中国の新型コロナが本当に収束したのであれば、当然の結果かもしれないが、もう少し成り行きを見ないと判断できない。

【 内 要 】
中国出境游研究所(COTRI)は、2021年の中国人海外旅行者数が1億人に回復し、2022年には2019年の1億7000万人を上回り、過去最多の1億8000万人に達すると分析している。最大の旅行先はマカオの見込みだが、タイ、ラオス、日本、シンガポールなどのアジアやヨーロッパのシェンゲン協定国への旅行者も増加すると予想している。
コロナ禍に見舞われた2020年の海外旅行者は、ほぼ1月に集中し、最終的には前年の約10%の約1800万人に終わる見通し。
COTRIは、中国のアウトバウンド市場は他国よりも回復が早く、今後の傾向としては、混雑していない地域で中国人に対してフレンドリーな目的地が選ばれ、コロナ前とは異なる特定のニーズを満たす高品質商品が求められると分析している。

トリップ・ドットコム・グループ(Trip.com)は、2020年第3四半期(2020年7月~9月)の営業実績を発表した。それによると、売上高は前年同期比48%減の55億人民元(約876億円)となったものの、中国国内旅行の回復が進んだことで、前期比では73%増となった。
部門別で見ると、宿泊予約は前年同期比40%減(前期比98%増)の25億人民元(約398億円)、交通チケットは同49%減(前期比66%増)の19億人民元(約303億円)、パッケージツアーは同80%減(前期比151%増)の3億2600万人民元(約52億円)、法人旅行は、同16%減(前期比74%増)の2億8200万人民元(約45億円)となった。
同グループでは期間中にコスト削減を進め、開発費は同28%減の20億人民元(約320億円)、販売マーケティング費は同54%減の11億人民元(約175億円)、一般管理費は同38%減の5億500万人民元(約80億円)に抑えた。
営業利益は前年同期の22億人民元から7億9000万人民元(約126億円)に減少したもののも前期の6億8800万人民元(約110億円)の営業損失からは改善した。当期利益は16億人民元(約255億円)を計上。前年同期の7億9300万人民元(約126億円)を上回り、前期の4億7600万人民元(約76億円)の当期損失から大幅に改善した。
第4四半期については、新型コロナウイルスの影響が継続するとの予測から、売上高は同37%から42%の減少を見込んでいる。