【講演概要】
京都から南丹市美山町、舞鶴市とGSTCサステナブルツーリズム研修の報告
(観光のひろば 2023年6月22日)
釼菱英明:株式会社ケイズドア
今日は南丹市美山町、舞鶴市とGSTCサステナブルツーリズム研修の報告をさせていただきます。
美山町はミニ白川郷とも呼ばれる地域で、重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けた地域です。先日、観光協会事務局長にお聞きしたところ、「日本人が8割、外国人は2割で、今は香港EGLの日帰りバスツアーが多い。欧米やベトナム、マレーシアのバスツアーが中心でほぼ日帰りとのことでした。
気になったのが、いつの間にか茅葺の里近くの空き家が売れているようで、その物件が何になっていくのか分からない状況です」とのお話でした。美しい美山が残ることを祈るばかりです。
これは6月10日、舞鶴港に入港したシーニック・エクリプスの写真ですが、17000tぐらいの船で、史上初の6つ星の船とも言われており、小型飛行機が2機、小型船が1隻搭載されています。2023年の舞鶴港へのクルーズ船寄港数は9隻が予定されています。
GSTCサステナブルツーリズム研修を6月7日から9日に京都で受講した話をさせていただきます。GSTCでは「持続可能な経営」「社会経済的影響」「文化的影響」「環境への影響」の4つの基準を作っており、6月9日に京都市内を歩いてきました。これまで京都市内を観光目線で見ていましたが、今回は「持続可能なまちづくり」という視点で見てまわりました。
気になったのは①ゴミを捨てる場所が無い ②花見小路にあるスターバックスは景色に溶け込んでキレイ ③「祇園のお約束ごと」などダメダメ表示が多い ④環境美化のためシニア巡回員が見回りをしている ⑤花見小路は無電柱化され美しい景観が保存されているが、裏通りは電線が多い ⑥建仁寺で「参拝時の注意」を京都の寺ではおそらく初めて掲載した ⑦二年坂界隈の混雑 ⑧バス停が長蛇の列で乗車を諦めたなど、現在、中国人がいない状態でこれだけのオーバーツーリズムが発生していると感じました。
「グッドネイチャーステーション/ホテル京都」を見学させていただきました。ここは環境や健康に留意した建物を作る「WELL認証」や「LEED認証」を取得している、世界で初めてのホテルと評価されています。①1階には京都の地元野菜や環境にやさしいものを販売 ②環境にやさしい建物構造 ③ホテル各フロアに飲料水の供給ポイントがありペットボトルを置かない ④プラスティックのアメニティを置かない ⑤フードロスを減らすコンポストなどの取り組みがありました。ここのホテルは6千円か1万円で視察できるプログラムもあるようです。
また、京都市は「京都観光モラル(京都観光行動基準)」を策定し、京都が京都であり続けるために皆様と大切にしていきたいことを提唱しています。今後京都市はオーバーツーリズムを解消する施策を発表していくことと思います。
ゴミ箱が少ないとの声が増えている。大阪や京都では、圧縮型の「IoTゴミ箱」の設置が始まった。(ゴミが一定量溜まるとセンサーが感知し、自動で圧縮するソーラー発電で動く。約5倍のゴミを収容)