京都で日本人宿泊客の減少歯止めかからず 訪日客増で混雑敬遠か
(京都新聞 2019年03月04日)
https://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20190303000102

京都の主要ホテルの日本人宿泊客はここ数年減少を続けている。2018年も9.4%減少した。
訪日外国人客の増加で市内の観光地が混雑するようになり、日本人の「京都離れ」が強まっているという。
外国人利用は 43.9%と過去最高を更新した。4月と7月は、外国人客が過半数を占めている。
この問題は難しい。日本人を優先して外国人の受け入れを制限するというような手法を取ることはできない。
それ以上に鉄道やバスへの影響、買い物への影響など市民生活への影響が心配だ。

【ポイント】
京都市内の主要ホテルに宿泊した日本人の実人数が2018年12月まで21カ月連続で前年実績を下回った。18年も前年比9・4%減で4年連続マイナスだった。
訪日客の増加で市内の観光地が混雑するようになったのが大きな要因との見方が多く、日本人の「京都離れ」への懸念が強まっている。

京都市内主要ホテル(12月時点で52施設)を対象に行っている外国人客宿泊状況調査によると、日本人宿泊客数は17年4月から前年同月比マイナスが続いている。
特に18年は、西日本豪雨のあった6月と7月がそれぞれ12・6%減、14・6%減と大きく落ち込んだほか、紅葉シーズンの11月も10・7%減、12月も12・2%減と二桁のマイナスだった。
18年の日本人宿泊客数は206万2716人で前年から10万4129人減った。
日本人宿泊客の減少は15年が4・0%減、16年が3・8%減、17年が4・8%減で、同期間に34・7~3・5%増だった外国人客と対照的な動きを示している。

「訪日客の増加で京都の観光地や交通機関の混雑が広く知られるようになったため、敬遠されている」「『京都のホテルはいつも満室』という先入観が強い。実際はホテルが増えて予約は取りやすくなっているのだが」といった見方を示している。
外国人が早めに宿泊予約を取ることや、客室価格の上昇で出張のビジネスマンが泊まりにくくなったとの指摘もあった。

京都市観光協会は、若者の旅行離れや所得の伸び悩みを日本人客減少の理由に挙げつつ、混雑対策も課題と見る。「外国人頼みだと、外交関係の悪化や災害などで客足が減ったときの影響が大きくなる。日本人と外国人のバランスが大事だ。大原や高雄、山科といった定番以外の観光地に分散させる取り組みに力を入れ、混雑を緩和させたい」としている。

18年の主要ホテルの外国人宿泊客は5・3%増の122万9030人。日本人客と合わせた総数は4・4%減の329万1745人だった。

◎2018年京都のインバウンド客宿泊状況を発表、外国人利用が4割超で過去最高、イタリア・スペインの伸びが際立つ
(やまとごころ 2019.03.06)
https://www.yamatogokoro.jp/inboundnews/pickup/30732/

外国人利用割合は 43.9%と過去最高を更新した。
1月を除く全ての月で過去最高を更新し、4月と7月は、外国人客が過半数を占めた。
中国が27.7%(前年比2.7%増)で3年連続1位、2位の台湾は14.0%(3.7ポイント減)、3位のアメリカ13.0%。香港も1.0ポイント減。
実人数の伸び率では、イタリアが36.9%増、スペインが26.2%増と、南欧市場の成長が際立った。
大阪府北部地震や西日本豪雨、台風21号などの影響は限定的で、宿泊客の実人数において5.3%伸長した。

ホテル業界で最も重要視される客室収益指数における京都の伸び率は0.2%減となった。
新規ホテル開業により客室数が増加する中、客単価は2.1%増と値崩れせず、成長を維持した。