海外旅行の再開に備え、旅行会社向けに現地情報のオンラインセミナー開催へ、ガイドライン策定や研修ツアーも – 日本海外ツアーオペレーター協会
(トラベルボイス 2020年6月9日)
https://www.travelvoice.jp/20200609-146345

このポストコロナの見解が当面、正解に近いと思われる。
OTOAの見解として、外務省がベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドからの入国制限を先行的に緩和する検討に入るなどの動きから、「今年10月頃から動き出す」との見通しを示した。
「第一段階としてビジネス需要、次に留学生、そして観光の順になる」とし、3密回避から、「FITや小さなグループから戻り、パッケージツアーや団体は来年以降」という。
国際航空運送協会(IATA)が、国際線の供給量が2019年レベルに戻るのは2022年以降と予測したことから、「コロナ以前の需要に回復するのは3年ほどかかる」としている。

【ポイント】
日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は、日本人旅行者の海外旅行先の手配サービスや現地オペレーションを専門に行う旅行会社が集まる組織。
会員ツアーオペレーターは全社苦しんでいる。4、5月はゼロ。6月も国際線復活の見通しがつかないためゼロを予測していると説明。
しかし、外務省がベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドからの入国制限を先行的に緩和する検討に入るなど、海外との往来再開に向けた動きが報道され始めていることから、「今年10月頃から動き出すのではないか」との見通しを示した。

「第一段階としてビジネス需要が戻り、次に留学生、そして観光(レジャー)の順になる」とし、3密回避の旅行形態が望まれることから、「FIT(個人旅行)や小さなグループから戻り、パッケージツアーや団体は来年以降」との見方を示した。
そのうえで、国際航空運送協会(IATA)が国際線の供給量が2019年レベルに戻るのは2022年以降と予測していることなどから、「コロナ以前の需要に回復するのは3年ほどかかる」とした。

需要回復に向けた取り組みでは、日本旅行業協会(JATA)/アウトバウンド促進協議会(JOTC)と共同で、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が発表したガイドラインを叩き台として、日本のBtoBtoC向けのガイドラインを策定する準備を進めていることを明らかにした。

6月末からはJATAと連携して中国、台湾、韓国、香港、タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、ハワイ、グアムの13カ国/地域の最新情報を提供するオンラインセミナー開催を計画。
OTOA会員各社から、具体的な入国・検疫・税関(CIQ)や、バス、ホテルレストランなど観光施設の状況報告や観光客の受け入れ態勢を旅行会社向けに配信することで、需要回復期に備える。

ビジネス旅行が動き出すタイミングが来れば、旅行会社やメディア向けに、感染が抑え込まれている国/地域への研修旅行を観光局と共同で実施したい考え。
「これまで以上に研修旅行が大切になってくる。露出が増えれば消費者のマインドも変わってくる。まずはムード作りが大切になる」と意欲を示し、まずタイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドなどで「成功事例を作ることが重要」と付け加えた。
ワクチンの開発や接種には時間がかかるとみられることから、旅行業界でもPCR検査体制の拡充を進めていく必要に触れた。PCR検査の拡充が、入国時の隔離待機の免除につながることに期待をかける。

旅行会社とツアーオペレーターとの取引適正化にも言及し、旅行会社からの手配代金の支払い早期化は、新型コロナの影響下で海外旅行ビジネスを運営していくためには、最重要となるという考え。
経営が厳しいOTOA会員各社が、事業を継続するためにも「旅行会社には手配契約内容を正しく理解し、履行してもらいたい」と要望したうえで、新型コロナを通じて「適正化はさらに進むだろう」と期待感を示した。

ウィズ/ポストコロナ時代の海外旅行について、人々の行動が変容したことを受けて「テクノロジーによって旅行のビジネスモデルが変わってくる」し、「こうした時期だからこそ、旅行業界は変革のチャンス。オペレーターにもビジネスチャンスは多いのではないか」と付け加えた。