『IRと交流観光を新たな柱に、インバウンド先進地の北海道、神観光振興監に聞く』 

(日経ビジネスオンライン 7月23日)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140716/268779/?P=1

【ポイント】

・2013年、北海道を訪れる外国人は前年比34.2%増の101万4700人と、100万人を初めて突破し、日本のインバウンド客の約1割を支え続ける。

・北海道を訪れる外国人観光客の約4割が台湾からで最も多い。また、タイの伸びは目覚ましく、前年の3倍以上にあたる7万3000人が訪れた。

・宿泊数でも、北海道は306万人泊(外国人数と宿泊数を掛けた数)と昨年から53%増え、東京都、大阪府に次ぐ第3位。

・北海道では、中国、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンを今後成長が期待される「成長市場」。台湾、韓国、香港、シンガポール、オーストラリアを「成熟市場」と位置付けている。

・中国は、上海や北京はリピーターやFITも多く、成熟市場に近い形ですが、広州など他の都市は団体旅行が中心で、成長市場ととらえている。

・インドネシア、ベトナム、フィリピンでは、北海道の知名度があまり高くないので、この3カ国を対象に重点的な市場開拓を行っていく予定。

・2013年の訪日外国人の団体旅行は26%ですが、北海道では62%と、観光バスを使った団体旅行が中心となっている。

・外国人のレンタカー利用も伸びおり、2013年度は1万7432人で前年比73.6%増となり、FIT客も増えている。香港の利用者数が約半数を占めている。 (同じ右ハンドルなので運転しやすい)

・昨年の夏の繁忙期、台湾のツアーに対して大量の観光バスが不足する事態が起こった。バス車両とともに運転手不足は深刻な課題。

 6月30日付で東北運輸局管轄内の貸切バス事業者が道内で営業できる措置がとられた。(期間限定の緊急措置)

・現時点でも、繁忙期の道央はホテルが満杯の状態です。全道全域に観光地としての受け皿となる基盤を広げていきたい。

・道北の歌登温泉の「うたのぼりグリーンパークホテル」が、タイからの観光客をたくさん誘客している。餅つきやたこ焼き作り、流しそうめんなど様々な日本の文化体験をできるのが売りで、イベントには地域住民も参加して交流しています。「一番楽しかった」と答える方も多い。

・地域特有の文化や資源を生かし、観光業者だけではなく地域住民も参加し、外国人観光客をおもてなしできる取り組みのモデル地区を募る。

・北海道でのIR実現の可能性や期待される経済効果、懸念される社会的影響や対策などについて、民間の専門家に委託して調査を実施する。

・今、釧路、小樽、苫小牧の3市が手を挙げてIR誘致の意思を表明している。

・雪が降る地域でのIRは珍しいということで、海外事業者も、関心は非常に高い。