大阪で続々ミューラル 街の壁画で治安向上、活性化
(産経新聞 2022年4月28日)
https://www.sankei.com/article/20220428-FEDENQ2GZ5IMFBP2UHJNHYFPPQ/

【ホッシーのつぶやき】
街角の壁に描く壁画を「ミューラル」といい所有者の許可を得て描かれるという。ミューラルという壁画が大阪でも増えているようだ。
アメリカ村の黒田征太郎さんの壁画は40年前(1983年制作)にでき、北加賀屋のウォールアートもよく聞く。淀川区のアーティストBAKIBAKIさんは2025年大阪・関西万博に向けた「淀壁構想」を提唱している。JR京橋駅では「落書きがほとんどない。ごみや自転車の放置もなくなった」という。
この「ミューラル」を大阪・関西万博の一つのモニュメントのようにできないものだろうか。

【 内 容 】

街角の壁に、所有者の許可を得て描かれる「ミューラル」という壁画が大阪の街で目立ち始めた。日本ではまだなじみが薄いが、落書きとは一線を画し、街の景色と一体になった芸術作品として米国などでは定着しつつある。大阪市内では、街のにぎわい創出や治安の向上に生かそうと、企業や警察署、アーティストらが積極的にミューラルに取り組むケースが増えている。

大阪市を代表する観光地の一つ、通天閣周辺に広がる新世界にある回転ずし店「くら寿司新世界通天閣店」に28日、2階建ての壁一面(高さ約12メートル、幅約8メートル)にキャラクター化された握りずしを描いた巨大なアートが登場した。
「新型コロナウイルス禍で営業は厳しい状態が続いているが、少しでもエリアを盛り上げたい」と広報担当者。「インバウンド(訪日外国人客)にも楽しんでもらえるように」と、すしと浮世絵をテーマにしたアートで、日本文化を発信する。

こうした壁画は、落書きとは異なり、所有者の了承を得ている。地域の歴史や社会的なメッセージを表現するケースが多く、地域を活性化させる街づくりの手法としても米国や南米で定着している。

大阪でも、大阪市淀川区でアーティストたちがクラウドファンディングで資金を集め、ビルの壁に描いた巨大アートが話題となるなど、街のにぎわい創出を仕掛けるミューラルが増えている。

大阪市の東西を貫く中央大通にある複合ビル「船場センタービル」は令和2年3月、開館50周年を記念して、地下連絡通路に20点の壁画を描いた。豊臣秀吉やトラ、兜(かぶと)などを題材にした巨大壁画空間を舞台に、3年11月には子供たちのダンスイベントを開催。建物を管理する大阪市開発公社の担当者は「若者やインバウンドの新名所になれば」と期待する。

JR京橋駅でも3年10月、高架下の壁に虹色のクジラなど鮮やかなミューラルを制作。
常態化するごみ投棄や放置自転車などについて地元から相談を受け、都島警察署の署員が発案し、壁を管理するJR西日本などやデザイン系専門学校生らの協力で完成させた。都島警察署の担当者は「高架下の壁にも落書きが多かったが、いまはほとんどない。ごみや自転車の放置もなくなった」と説明、アートが治安向上に寄与したという。道路に照明を設け、壁画のライトアップも検討しており、「明るい雰囲気の街づくりをさらに進めたい」などと話している。(田村慶子)