定年後も働きたい女性は67%、退職金の使い道トップは「預貯金」がダントツ、2位は「旅行」「ご褒美」
(トラベルボイス 2020年4月2日)
https://www.travelvoice.jp/20200330-145818

新型コロナで雇用が守れるかという問題が浮上するなかで、60歳定年前後の女性の労働に対する意識調査を紹介しても、それが活かされるか疑問だが、電通シニアプロジェクトの調査を紹介する。
55~59歳は、「結婚を機に」(28.5%)離職し、50~54歳は「出産・子育てで」(29.0%)離職が多かった。
定年後も働きたい人は67.4%で、「将来お金がないと不安」(55.9%)、「生計を維持するため」(52.7%)、「自分のお小遣い」(48.4%)、「生活のリズムが保てない」(47.3%)、「時間を持て余す」(38.7%)を理由にあげている。

【ポイント】
現在、正規雇用で定年のある企業で働く50代女性400名と、定年を経験した60代女性200名を対象に、「定年女子調査」を電通シニアプロジェクトが実施した。

60歳定年として、5年以内に定年予定の55~59歳女性を「定年女子(55~59歳)」、6~10年以内に定年予定の50~54歳女性を「プレ定年女子(50~54歳)」、既に定年を経験した60~64歳女性を「ポスト定年女子」と定義。また、定年後も仕事をしている人を「ポスト定年女子(仕事継続組)」、仕事をしていない人を「ポスト定年女子(仕事リタイア組)」とした。

「定年女子」の累計勤務年数は平均28.4年。「定年女子」の72.5%が「休職・離職経験あり」と回答。
理由は「結婚を機に」(28.5%)が最も多く、休職・離職なく働き続けている人は3割弱。
現在の会社は「3~5社」目という人が最も多かった(48.0%)。

「プレ定年女子」は、「結婚を機に」(20.0%)よりも「出産・子育てで」(29.0%)離職という人が多かった。また「自身のキャリアアップやキャリアチェンジ」を理由に、休職・離職する率が高くなる傾向がある。

現在の働き方については、「定年女子」の51.5%が「満足」と回答。理由ランキングは、1.「自分の居場所(果たすべき役割)がある」、2.「適切な勤務時間・休日がある」、3.「勤務地が家から近い」、4.「自分の中でワークライフ・バランスが取れている」、5.「転勤がない」「福利厚生が充実している」。

現在の働き方に満足していないと回答した人は3割弱で、その理由は1.「給与や待遇面」、2.「職場の人間関係」、3.「自分に対する評価」、4.「日々の業務のやりがい」、5.「福利厚生」。居場所、人間関係、また勤務環境(近隣、転勤)となった。

女性活躍社会に「賛成である」と回答した人は79.5%。「女性の管理職がもっと増えるべきだ」も67.0%と多い一方、管理職未経験者で「(部長以上の)管理職になりたい/なりたかった」は18.1%だった。

「定年女子」の退職金想定額は平均594万円。一方、「ポスト定年女子」のうち「仕事リタイア組」が実際に受け取った金額は1107万円。
安心して老後を過ごすための想定金額は4345万円で、退職金想定額とは大きな開きがある。
退職金の使い道予定は「預貯金」(82.1%)、「旅行費用」「自分へのご褒美」(各22.6%)、「趣味」(15.1%)が続いた。

「定年女子」で、定年後も働く・働きたい人は67.4%。理由は「将来お金がないと不安」(55.9%)、「生計を維持するため」(52.7%)が大きいが、「自分のお小遣い」(48.4%)、「生活のリズムが保てない」(47.3%)、「時間を持て余す」(38.7%)といった理由を挙げる人が多数となった。