「富士山やさい」でムスリム対応和食を提供 〜富士河口湖町と笛吹市が現地記者を招き情報収集〜
(日経ビジネスオンライン 11月10日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141104/273347/?n_cid=nbpnbo_mlt&rt=nocnt

富士河口湖町と笛吹市のインバウンド対策は早く、ムスリム対応も積極的だ。
国際観光の分野でも早くから対応した先攻有利が働くのだと思う。

【ポイント】
・山梨県富士河口湖町は、1999年に海外へのセールス活動をスタートするなど、早くからインバウンド誘致に力を入れてきた。
・2013年の同町の外国人宿泊人数は合計15万7760人。1位は前年3位から躍進したタイで、2位中国、3位台湾。
 ムスリムが多い東南アジアの国々が健闘している。2013年はインドネシアが6位で4874人、マレーシアは7位で4458人。

・河口湖観光連盟は、国際委員会を設置してインバウンド振興を行ってきた。さらに機動力を強化するため2011年に富士山国際観光協会を設立した。
・河口湖観光連盟で同観光協会の会長の山下茂さんは、自身もロイヤルホテル河口湖経営者として、インバウンド営業を30年以上前から行ってきた。同ホテルのインバウンド比率は現在、5割を占めている。

・ムスリム向け調理ガイドラインを作り、それを基に2014年6月、「ムスリム対応和食のご紹介」パンフレットを作成。
 富士河口湖町と笛吹市、合わせて8軒の宿泊施設と3軒の食事施設がこの和食のガイドラインに賛同した。
・礼拝用コンパスとマットを8セット購入し、必要に応じて希望する施設に貸し出す態勢を作った。

・インドネシアの新聞記者を招いたプレスツアーが行われ、天ぷらと寿司、刺身をセットにしたムスリム対応和食メニューを開発した。
 しょうゆは、アルコール成分を含まないハラル認証を受けたものを使用。天ぷらは天つゆではなく、塩を添えて出したところ好評だった。
 観光農園のブドウ狩り、石和温泉街にある足湯も好評だった。
 ムスリム観光客にとっても富士山は興味の強い対象であることが判明した。

・2015年には、富士河口湖町長をはじめ観光関係者がインドネシアを訪問し、ムスリム観光客誘致に向けたトップセールスが行われる。
・温泉を使って手足を清められる施設を併設し、日本人も他の外国人も利用できる足湯・手湯施設として開放したいという。
・ムスリム専用厨房を宿泊施設や飲食施設が新たに増設するのはハードルが高い。キッチンカーの活用・貸出しが検討されている。