山形県沖地震に関する外国人調査、多言語情報の不足と宿泊施設での避難説明の必要性が浮き彫りに
(やまとごころ 2019年7月9日)
https://www.yamatogokoro.jp/inboundnews/pickup/33126/

6月18日に発生した山形県沖地震における情報で、最も役立った情報は「日本のラジオやテレビ」だ。しかし「津波注意報」発令に9割以上が気づいたものの、「対処方法がわからなかった」が33.4%は大きな課題だろう。
「注意報」は日本人もほとんど避難せず、「警報」で避難を意識する人が多い。「注意報」と「警報」など、外国人が行動しやすい基準が必要なようだ。
外国人は「日本を地震が多い国」と8割以上が認識しているが、「今後も日本には来たい」と答えた人も8割以上だという。日本の安全神話を未来につなげたい。

【ポイント】
2019年6月18日に発生した山形県沖地震における、訪日外国人旅行者や在住外国人の避難行動の聞き取り調査を行った。

地震発生時刻が22時ということもあり、地震がおさまった後は、インターネットやSNSで家族と連絡を取り合ったり、ラジオやテレビで情報を得ながら、その場で様子を見る人が多かった。
避難や旅行行程などで「最も役立った情報」は、「日本のラジオやテレビ」と答えた人が多かった。
発生後に困ったことは「言葉がわからずどこに行けばよいかわからなかった」がトップ。多言語による情報の不足という問題があげられた。

「地震災害発生時に希望する対応」としては、「避難マニュアルや案内サイン、誘導の多言語化」を希望が多かった。
「津波注意報」の発令には9割以上が気づいていたものの、「対処方法がわからなかった」が33.4%になっている。
宿泊施設での「避難指示の誘導」は「あった」が53.2%だが、「日本語で理解できなかった」が21.9%となっている。
宿泊施設に到着時、「避難についての説明」が「あった」は3割未満で、「なかった」が42.9%だった。
宿泊施設で事前に避難説明があれば「スムーズに行動できたか」という問いに対して「できた」「多分できたと思う」を合わせると約7割となった。

日本は地震が多い国であることを8割以上の人が認識している上、「今後も日本には来たい」と答えた人も8割以上。
実際に地震を経験したにも関わらず、また日本を訪れたいとする人は多く、今後も変わらない訪日意欲の高さが伺えた。

株式会社サーベイリサーチセンターが、6月21、22日に新潟空港でヒアリングを行い、地震発生時に近辺に滞在していた計68人のサンプルを採取。