【データ】新型コロナ禍におけるバーチャル診療サービスに関する調査
(観光経済新聞 2020年8月10日)
https://www.kankokeizai.com/【データ】新型コロナ禍におけるバーチャル診療/

慢性病などの患者は、医療機関が予約を取り消し、通院に伴う感染リスクから、継続治療が難ししくなり「治療の延期または一部取り止めた」が70%もあるといいます。
そのようななか、「バーチャル診療サービス」の利用が急増しており、「直接医師と対話ができる」「通院や待合室で待つ必要がない」「利便性が高い」と感じ、満足度も「以前と同等」「それ以上」が9割となっています。
「バーチャル診療サービス」をさらに進化させるため、患者の声を聞く必要もあるようです。

【ポイント】
アクセンチュアの調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大を受け「バーチャル診療サービス」の利用が急増しているなか、サービス品質について、患者の9割が「以前と同等」「それ以上」と高い満足度を示していました。また60%が「今後も医療機関とのコミュニケーションや健康管理のためにテクノロジーをより活用していきたい」との意向を示しました。

本調査は2020年5月に日本、米国、中国、英国、ドイツ、フランスの6カ国で、腫瘍、心臓病、免疫疾患などを抱える2,700人(各国450人)を対象に実施しました。
各国で行動制限が実施されたため、患者たちは受診や治療を継続させることが難ししく、実際に多くの医療機関が予約を取り消し、公共交通機関も一部運休となる中、通院に伴う感染リスクを恐れた患者も多く、全体の70%が「治療の延期または一部取り止めた」と回答しました。

患者のほぼ半数が「通院する代わりに、自宅でビデオ通話サービスやオンラインチャットツールなどの、テクノロジーを利用したバーチャル診療サービスの利用を始めた」と回答。
「ビデオ通話サービス」利用患者の、63%が「利用して良かった」「非常に良かった」とし、70%が「今回初めてビデオ通話を活用した」と答えた。

「バーチャル診療サービス」に対する満足度が向上していることが示されました。多くの患者が直接医師と対話ができ、利便性が高く、時間の無駄もないと感じています。
通院や待合室で待つ必要がなく、自宅という安心できる場所で、都合の良い時間に診察が受けられます。また、患者の多くが医師から受ける診察内容が以前よりも質的に改善されたと述べています。
「より適切で自分の症状に合った説明を受けた」47%、「迅速に対応してもらった」41%、「以前より問い合わせしやすくなった」40%と回答。さらに「医療機関に対する信頼が高まった」60%、「製薬会社や医療機器メーカーに対する信頼が高まった」45%と答えています。

バーチャル診療は臨床試験の継続にも有効
新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの臨床試験が中断され、臨床試験に参加している患者の77%が「一時中止、または延期となった」と回答しています。
臨床試験が継続されたケースには、バーチャル診療サービスが提供されていたことがカギとなりました。

臨床試験に参加している患者は、実際の設計プロセスに患者が関わることはほとんどなく、臨床試験の見直しが行われた時も「どのような点を変更するのが望ましいか」と事前に相談された患者は14%にとどまりました。
「バーチャル診療は既に定着しつつあると言えるでしょう。ヘルスケア業界はこうしたトレンドを確かなものとするため、今すぐ人材や時間、資金を投資し、診療や患者とのコミュニケーションのためのツールやプラットフォームを強化していくことが欠かせません」と語っています。

レポートの全文はこちらからご覧いただけます。(英語のみ)
https://www.accenture.com/us-en/insights/life-sciences/coronavirus-patient-behavior-research