DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 (2020年度 新型コロナ影響度 特別調査)
(DBJ・JTBF調査報告 2020年8月18日)
https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/08/DBJ-JTBF-euroasia-report-2020.pdf

8月21日のWBSで『新型コロナの流行終息後に、観光旅行したい国・地域』の調査結果が報道され、アジアで1位、欧米豪でも2位にランクインした。2019年の調査では6位だったという。
「新型コロナへの不安」は、アジアのほうが高く、不安解消のためにも、それぞれの言語で、新型コロナに関する正確な情報発信を行う必要がある。

【ポイント】
世界的に感染拡大が見られる新型コロナウイルス感染症が、外国人旅行者の海外旅行意向に与えた影響を調査すべく、アジア・欧米豪12地域の海外旅行経験者6,266人を対象とした、インターネット調査を2020年6月2日~6月12日に実施した。

・今後6ヶ月間における海外旅行のハードルは長距離移動であるほど高く、2020年6月以降に海外訪問を行うと回答した割合はアジア、欧米豪ともに20%を切っている。また、海外訪問実施予定者であっても新型コロ ナへの不安を抱いており、特にアジアは強い不安を抱いている。

・「海外観光旅行の検討を再開するタイミング」は、 「抗ウイルス薬の開発など、新型コロナの脅威が消滅してから」、「渡航希望先の安全宣言後」、「自国の出国制限措置の解除後」という回答が多く、訪日外国人 旅行者数が従前通りに戻るには相応の時間を要するであろう。

・「新型コロナの流行終息後における海外旅行の意向」は、アジアで86%、欧米豪で74%と強い。
新型コロナ終息後に海外観光旅行をしたい理由は「海外旅行が好きだから」という回答の他、アジアを 中心に「リラックスや癒やしを得たいから」、「海外で体験したいことがあるから」という回答が多い。新型コロナ 終息後の海外観光旅行において、予算が増加し、滞在日数が長期化するという回答が相対的に多い。

・『新型コロナ終息後に観光旅行したい国・地域』として、日本はアジアでは56%とトップ、欧米豪でも24%と2位と人気が高い。2019年の調査で欧米豪は6位だった。
一方で、新型コロナ終息後の訪日旅行全般に期待したいこととしては「衛生面における配慮、清潔さ、消毒などのウイルス対策全般の継続」がアジア・欧米豪ともにトップであり、特にアジアからのウイルス対策全般に対する期待は高い。

6.新型コロナ以降の希望する旅行形態は、 3密が想起されやすいフルパッケージツアー(航空券と宿泊施設がセットになったパック旅行に食事・観 光・添乗員や現地ガイドが含まれているもの)は人気が落ち、ダイナミック パッケージ(航空券と宿泊施設のみがセットになったパック旅行)の人気が高まっている。
同行者も、 行動履歴がわかる「配偶者・恋人」や「自分の子供」の選択率がより高くなった。

7.日本の多言語対応の評価は低く、台湾等と比較すると、新型コロナの被害が少ない国と評価されているとは言い難い。一方で、「買い物」、「食事」、「治安のよさ」等に加え、「清潔 さ」が高く評価されている。

8.新型コロナ終息後の日本人気を捉まえるためには、ウイルス対策全般の継続などの安全・安心に関する取り組みを徹底し、「清潔さ」という日本の強み を一層活かすことが重要である。特に新型コロナへの不安度が高いアジアに対して、それぞれの言語で正確な情報発信を行うとともに、高単価かつ長期滞在を求める訪日外国人旅行者の取り込みに繋げるべく、リラックスや癒やしおよび体験型観光といった旅行者ニーズを満たすための準備を進めるこ とが重要です。

【調査概要】
• 調査主体:(株)日本政策投資銀行と(公財)日本交通公社の共同調査
• 調査方法: インターネットによる調査
• 実施時期: 2020年6月2日~6月12日
• 調査地域: 韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、アメリカ、オーストラリア、 イギリス、フランスの12地域
• 調査対象者:20歳~59歳の男女
• 有効回答者数:上記各地域に居住する住民計6,266人

※ (株)日本政策投資銀行は2012年より継続的に「アジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査」を公表し、 2015年からは(公財)日本交通公社と共同で本調査を実施している。