「観光立国推進基本計画」改定に向けた意見 ~観光の変革と創造による地域経済の再生~〜日本商工会議所
(日本商工会議所 2022年2月17日)
【 概要版 】
https://www.jcci.or.jp/kanko_ikensho_2022_gaiyou.pdf

【ホッシーのつぶやき】
日本商工会議所が「観光立国推進基本計画」改定に向けた意見書を公表したので、大事なポイントを「➡」ピックアップしてみた。
ワクチン追加接種等により、 感染症対策と社会経済活動を両立できる環境を整備し、入国制限を緩和すべきとの、基本的な考え方を示している。
地域の観光マネジメントとしてDMOと商工会議所の連携が必要としている。
インバウンドによる外需獲得は引き続き重要とし、「地方創生の切り札」である観光として施策が必要としている。

【 内 容 】

1.基本的な考え方
・成長戦略の柱・地方創生の切り札である観光の再生が急務
 ➡ワクチンの追加接種等により、 感染症対策と社会経済活動を両立できる環境を整備し、需要喚起策の早期再開が必要。
 ➡諸外国の感染状況、規制動向等を踏まえながら、水際対策に伴う入国制限を緩和すべき。
・コロナ禍で生じた観光を取り巻く環境変化への対応
・ウィズ/アフターコロナにおける観光政策のあり方
 ➡2025年大阪・関西万博、2027年横浜国際園芸博覧会等の国際的ビッグイベントが控えていることから 可能な限り早期に基本計画を改定すべき。

Ⅱ.観光再生に向けた課題と地域の取り組み
・地域の観光マネジメントの取り組み状況 ~観光地域づくり法人(DMO)と商工会議所の連携~
 ➡地域に観光消費を呼び込むためには、地域の関係者が一体となり、地域資源を発掘し、他の地域とは 異なる「個性」に磨き上げることが不可欠。
 ➡地域の総合経済団体である商工会議所は、地域の多様な主体と連携し、観光コンテンツ造成等に取り 組んでおり、各地域で、商工会議所がDMOの運営や各種事業に参画・協力している。 
・地域の観光マネジメントの取り組み状況2~DMOの活動状況と課題~
 ➡各地商工会議所から見たDMOの活動状況については、「観光戦略の策定」、「地域資源を活用した観 光コンテンツ造成」、「国内向け誘客プロモーション」が比較的高く評価されている。一方、「国外向け誘客 プロモーション」、「デジタルを活用したマーケティング」、「施策情報の提供」についての評価は低い傾向にある。
・地域における観光消費獲得に向けた取り組み
 ➡訪日外国人旅行客数・消費の拡大は、わが国の経済成長に大きく寄与。一方、インバウンド拡大の恩恵が地方にまで十分波及 していない状況。
・デジタル技術の活用(観光DX)
 ➡地域の消費データの収集、デジタルマーケティングによる誘客促進の取り組みが始動。

III.基本的な方針・目標とその実現に向け国が講ずべき施策
・次期計画の基本的な方針で示すべき方向性
 (1)地域経済を支える観光関連産業の再生・変革
 (2)インバウンド再開時を見据えた観光が抱える構造的課題の克服
・基本計画で掲げるべき目標
 ➡インバウンドによる外需獲得は引き続き重要。一方、過度な需要集中によ るオーバーツーリズム等への対処も含め、持続可能な観光地経営を推進する観点が必要。
 ➡「地方創生の切り札」である観光が、地域の重要な基幹産業としての地位を確立できる目標の設定が必要。
・基本的な方針・目標の実現に向けて国が講ずべき施策について
 (1)観光関連産業の経営基盤の再生・強化
 (2)地域の観光マネジメント体制の強化
 (3)観光需要の地方・地域への波及
 ・観光消費機会の拡大・消費額の増加
 ・国民の観光への理解促進
 (4)観光消費機会の拡大、コンテンツの高付加価値化に資するデジタル技術の活用