日本酒フェスから見える訪日観光との深い関係!②
1/30『観光のひろば』
(JAMS.TV代表:遠藤烈士)

「日本酒フェスティバル」は、来場者が18〜49歳の方が8割を占め、来場者と訪日旅行者の層が一致しているといいます。来場者は日本酒だけでなく、日本食、日本文化への関心が高く、アクティブな年齢層が多いようです。

オーストラリアの平均所得は$65,000(約624万円)で、来場者の半数が年収100,000豪ドル(約960万円)以上で、平均所得以上の来場者が7割で、高額所得の方が多かったといいます。

日本酒の購入場所も変化しています。以前は飲食店が主でしたが、酒販店での購入が圧倒的になり、オンラインショップでの購入も増え、普段から家で日本酒を楽しむ方が増えていることが分かったといいます。また「普段はあまり購入しない」という方も30%もおられ、これらの方に対してはイベントを通した新規顧客の創出の場となっています。オーストラリアで日本酒はワインの2倍ほどするので、日本酒を飲む層は高所得者が多いようです。
日本の文化や食品に興味を持つ訪日経験者にとって、フェスティバルは魅力的なイベントであり、日本を感じられる場所として来ていただいているとのお話でした。

また、日本を訪れたことのある参加者が7割で、
この先12ヶ月の間に、来場者の50%が「日本へ行く」予定をしており、37%が「行くことを検討している」といいます。

日本についての興味は「食」が一番です。注目すべきことは2番目の「伝統文化」。オーストラリア人は日本の伝統文化に憧れを持たれています。
またグラフを見ると、多様な目的で参加されていることも分かります。

2024年度は、メルボルンとシドニーで1万4千人の集客にチャレンジされます。
また、酒フェス来場者と年間を通した接点を持つため「酒フェスECサイト」の立ち上げも計画されています。

酒フェスティバルで大切にしていることは、『記憶に残る体験』 いかにインパクトを与えられるかだと講演を結ばれました。

【質疑応答】
Q:訪日旅行で「酒蔵見学」もよく見かけますが、「酒蔵見学」は訪日旅行のコンテンツとして魅力はあるのでしょうか?
A:「酒蔵見学」は誰もが見たいと思うものではないと思われます。酒蔵を見学して何か得るのか? 得するものがあるのか? これを具体的に示すことが大切です。佐渡に廃校を活用した酒蔵で「蔵人体験」を提供されているところがあります。そこでは「日本酒を造る」という体験を提供している。このように酒蔵を訪れた人が何を得られるのかを明確に示すことが重要です。(酒蔵では「貴重なお酒の試飲ができる」など)

Q:イベントに参加して、イベント会場では売れても、その後の販売に繋がらないという話をよく聞きます。経費もかかる中で、どのように考えれば良いでしょうか?
A:オーストラリアでの販路拡大が目的になるので、現地の業者の方とお会いしていただいて、これからビジネスに繋がるかのお話しいただくのが一番です。オーストラリアで日本酒の輸入業者は30社あります。フェスティバルに参加した業者が10〜15社おられたので、この方々に直接お会いいただくのが一番だと思います。

Q:フェスティバルでは「日本酒を飲む」ことができればそれで良いのでしょうか? その他のイベントを組み込む考えについてはいかがでしょうか?
A:来場者が日本文化体験を求めていることから、フェスティバルでは、総合的に日本文化を楽しんでもらうことを大切にしています。昨年のフェスティバルでは「江戸文化」を楽しんでいただく取り組みをしました。巨大なスクリーンに浮世絵を映し出したり、和太鼓演奏をしたりして取り組みました。