11/22の『観光立国シンポジウム』には、主催者を含め89名の参加をいただきました。
このシンポジウムは、何と言っても、京都府、京都市の観光政策監、交通政策監のそろい踏みで、過去に例がないと言われています。

【シンポのテーマと要旨】
今回のテーマは、「東京オリンピックと京都(関西)の観光を考える」でした。
「7年後のオリンピックに来られた外国人は、東京だけでなく、京都や関西の観光に来られる。その時、関西のファンになって帰ってもらわなければならない。そのため、今、インフラ整備やソフト面のおもてなしの準備を進めなければならない」がシンポジウムの要旨でした。

【基調報告】
・ 京都府の松村観光政策監は、今、地球規模の大交流時代を迎えており、広域観光に取り組む必要がある。そして情報発信は、民の協力を得て発信していかなければならない。目指すは「アジアの文化観光首都」と話されました。
・ 京都市の村上観光政策監は、京都を訪れるが初めての人は3.2%。10回以上の人が60数%。満足度も高い。外国人に大変よかったと評価されたのは、1位「街のきれいさ」62.8%、2位「治安」60.1%。京都の朝を体験してもらう取り組みが大切と語られました。
・ 京都市の堀池交通政策監は、自動車による観光より公共交通を利用した観光のほうが経済効果も高い。歩行者を優先する街づくりを目指すとして、四条通の歩道拡幅を行う。また、京都駅付近に修学旅行生の集合場所が無いことから待合所を設ける。公共交通を便利にする取り組みを鉄道・バス事業者と進めている。また「歩くまち京都」というアプリで、目的地を入れるだけでバスダイヤが検索できるシステムを構築したと紹介がありました。
・ スマート観光推進機構からは、『遊ぼうKANSAI』の紹介と下記の主張を述べました。

【スマート観光推進機構の主張】
・ 広域観光の枠組みは関西広域連合が担うこととなるかもしれないが、実務面では民間の声を入れないといけない。
・ パンフレットを電子化して提供するのは当たり前。訪日外国人に英語版MAPをパッケージ化して提供すると効果がある。
・ 観光協会のイベントカレンダーもバラバラだ。オープンデータ化するためには共通化する必要がある。具体的には、イベント先URLは必須。(京都府、京都市、和歌山県は提供していない) イベント詳細ページを共通化して階層化するべき。

【質疑応答・パネルディスカッションのポイント】
・ 東京オリンピックの誘致の効果もあり、ロンドンでは日本ブームが起こっている。京都でも、台湾や韓国等アジアからの観光客が増えている。
・ 訪日外国人の不満の1番はフリーWiFiが利用できないことだ。京都市は630ヶ所整備しており最も整備が進んだ地域だが、今後、民間の力を借りて増やしていく必要がある。
・ 2番目は、電車バスで移動方法が分からないこと。3番目は、ネットで調べても情報が多すぎて分からないこと。
これらの課題をオリンピックまでに解決していくことが必要だ。

【ジュニア京都観光大使】
最後に、京都市の「ジュニア京都観光大使」の作文をご紹介します。
・ 雅楽の体験活動を通じて、伝統文化の極意は「心」だと学んだ。
・ 京都のことを学ぶにつれ、京都と友達になれた気がする。
・ 伝統技術を伝えてくれた人に感謝し、次は私達が伝統文化を守り伝えていくべき。

充実したシンポジウムでした。印象的だったのは府と市が協調されていることで、仲が良いとの印象を持った人が多かったのではないでしょうか。
スマート観光推進機構としては、広域観光のためにオープンデータ化を進める必要性を主張でき、理解をいただける機会になったことが大きな成果でした。