スポーツ庁、武道によるインバウンド誘客の促進を目指し、第1回『武道ツーリズム研究会』を開催
(やまとごころ 2019年9月11日)https://www.yamatogokoro.jp/column/inbound-seminarreport/34266/?utm_source=newsletter&utm_medium=email

スポーツ庁の2018年の外国人アンケートで、「見たいスポーツ」で希望が多かったのが、7カ国中1位、2位が5カ国入った武道(柔道、空手、剣道、合気道など)。大相撲もトップ5に入るという。「やってみたい」スポーツでは、登山・ハイキング・トレッキング、スキー、スノーボード、ウォーキングが多い。「見たいスポーツ」で多かった「武道」だが、「見たい」と「見る」にはニーズの大きな開きがある。「居合体験」は確かに人気しているが、「エンターテイメント」の一つに過ぎない。

【ポイント】スポーツ庁では、スポーツツーリズムの需要拡大のため「アウトドアスポーツツーリズム」と「武道ツーリズム」を重点テーマとして取り組んでいる。なかでも日本特有の武道を活用したツーリズムには、世界から関心が高まっている。
2018年8月 スポーツ庁が行なった「外国人が見たいスポーツ」「やって見たいスポーツ」アンケートによると、「見る」スポーツで希望が多かったのが7カ国中3カ国で1位に入り、2位も2カ国あった武道(柔道、空手、剣道、合気道など)。大相撲もトップ5に入るなど、日本らしいスポーツの人気が高い。「やってみたい」スポーツでは、登山・ハイキング・トレッキングが3カ国で1位で、スノースポーツ(スキー、スノーボード)やウォーキングが多かった。
第1回『武道ツーリズム研究会』では、早稲田大学スポーツ科学学術院の原田宗彦氏を座長に任命。デービット・アトキンソン氏もアドバイザーとして参加し、武道やインバウンド業界から選出された委員とともに、「武道ツーリズム推進にあたっての課題と対応策」についての会合が実施された。

デービッド・アトキンソン氏は、武道ツーリズムのマーケットニーズをしっかりと調査してから取り組むことの重要性を提言。日本武道館の三藤氏は、武道愛好者は世界中に5,000万人おり、武道には世界中からニーズはあるものの、武道ツーリズムとしてはコンテンツが不足していると紹介した。金沢文化スポーツコミッションの平八郎氏は、武道ツーリズムのターゲットとなるのが有段者などの武道愛好者(コア層)なのか、日本文化や武道に関心がある者(ライト層)なるかを見定めアプローチをしていく必要性を説いた。
武道ツーリズムについての現状として、山形県村山市で実施されている「居合道抜刀体験プログラム」や、日本航空が実施している「SAMURAI KYUSHU」の取り組みなどが紹介された。
スポーツ庁は、武道ツーリズムを盛り上げていくために、地域が一体となってインバウンドニーズにあったコンテンツ開発や、受入環境整備を強化しながら、国・企業・地域・関係団体などの連携を強化し、官民協働のプロモーションを実施していくとしている。