訪日外国人の消費動向を宿泊費から詳細分析、上位15%が旅行消費額の25%を支出、国籍別の構成比も ー観光庁(2019年統計)
(トラベルボイス 2022年8月17日)
https://www.travelvoice.jp/20220817-151799

【ホッシーのつぶやき】
2019年の訪日外国人の平均宿泊費は、上位15%が1万8321円で下位85%が6069円と、開きの大きさを改めて驚く。上位15%が旅行消費額の25%を支出しているといい、訪日回数が増えるほど上位15%が高くなるという。訪日旅行者は初回、安くて楽しめる日本を求め、認知度が上がるほど旅行消費額が上がるようだ。
ともかくインバウンド再開に向けて魅力を高めなければならない。

【 内 容 】
観光庁はこのほど、2019年の訪日外国人消費動向から宿泊費上位15%に関する詳細分析を発表した。対象は観光・レジャー目的かつ滞在日数27日以内の訪日外国人旅行者。人数ベースで1泊あたり宿泊費の上位15%に入る群と下位85%に入る群に分け、両者の特徴の違いを調べた。東アジアや東南アジアは来訪回数が増えるほど、上位15%が増える傾向にあることなども明らかになった。

まず、宿泊費の平均値は上位15%が1万8321円なのに対し、下位85%は6069円。平均泊数は、上位15%が5.63泊、下位85%では5.78泊であり、上位15%の人数が旅行消費額の25%を支出していることがわかった。

上位15%を国籍・地域別にみると、最も構成比が高いのが中国(27.4%)、韓国(17.4%)、欧米豪(16.3%)が続く。ただ、訪日客数の構成比でみると、欧米豪が25.5%、香港が19.3%と高いのに対し、中国は13.9%、韓国は14%、台湾は8.6%にとどまっている。

また、宿泊費上位15%は下位85%に比べて宿泊費以外でも支出が多い傾向にある。旅行支出全体についてみると、宿泊費上位15%の平均値25.9万円であるのに対し、下位85%は約13.7万円となっている。また、1人1泊当たりの各費目間の相関係数についてみると、宿泊費は旅行支出全体、交通費、飲食費と相関が大きく、娯楽費とは小さい。

リピーターほど、上位15%の割合が高くなるのもポイントだ。日本への来訪回数が1回目の場合、下位85%の割合が高いのに対し、回数が増えるほど、上位15%が高くなる傾向が、韓国、中国、東南アジアなどでみられた。特に、6回目以上が宿泊費にもお金をかけるようになっているのが目立つ。ただ、欧米豪の場合は、来訪回数が1回目の割合が高く、宿泊費上位15%と下位85%の間では来訪回数や前回来訪時期に大きな違いがなかった。

今回したこと・満足したこと・次回したいことについて聞いたところ、韓国、台湾、香港、東南アジアは上位15%のほうが下位85%に比べ、「日本酒を飲むこと」「温泉入浴」などの選択率が高い。中国、欧米豪では選択肢に大きな差がなかった。