JNTO、訪日客の旅行動態データを公開
(観光経済新聞 2021年4月9日)
https://www.kankokeizai.com/jnto、訪日客の旅行動態データを公開/

【ポイント】
訪日外国人から許諾を得て取得したスマホの位置情報などに基づき、訪日客の訪問地、移動経路、宿泊地などが新規・リピーター別で把握できる訪日外国人旅行者の旅行動態データを、JNTOが無償提供している。
JNTOの公式スマホアプリのダウンロード数は約200万件という。訪日外国人の旅行動態がかなり正確に把握できるようになるようだ。

【 内 容 】
宿泊地、移動経路など把握可能
 日本政府観光局(JNTO)は3月23日、訪日外国人旅行者の旅行動態データの無償提供を開始した。JNTO公式スマートフォンアプリを利用した訪日外国人から許諾を得て取得した位置情報などに基づき、訪日客の訪問地、移動経路、宿泊地などが新規・リピーター別などで把握できる。コロナ禍で当面の誘客は難しいが、インバウンドの再開を見据えて、マーケティングの参考となるデータを公開する。DMOや自治体、事業者などに活用してもらいたい考えだ。
 JNTOの公式スマホアプリ「Japan Official Travel App」は、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語に対応し、訪日旅行中の観光情報を提供している。2017年9月から提供開始。これまでのダウンロード数は約200万件。
 利用者に同意を得てデータを取得。2019年11月以降に取得したデータのうち、個人が識別できないようにしたGPSに基づく位置情報、アンケートによる国籍、居住地(日本在住か、日本以外在住か)、訪日回数の情報を分析可能な形式で提供している。
 データの利用者は、訪日客の移動経路、宿泊地、訪問地を把握できる。旅行者の属性は、初訪日・リピーター別のほか、東アジア・アジア(東アジア以外)・欧州・北米・オセアニアなど地域別を指定できる。
 具体的には、都道府県における来訪者の訪問時期や属性、訪問した市区町村▽市区町村ごとの来訪者の訪問時期や属性▽市区町村ごとの滞在状況▽選択した市区町村の直前、直後に滞在した市区町村▽24時間以内の市区町村間の移動状況―など。
 旅行動態データの提供についてJNTOでは「訪日旅行の再開に備えたマーケティングの精緻化、プロモーションの高度化の一助として公開することにした。誰でも扱いやすく安全に利用できるよう工夫したので活用してほしい」としている。

 データを活用するには、JNTOのホームページにある「日本の観光統計データ」サイト(https://statistics.jnto.go.jp/)内のメニュー「訪日旅行の動態を調べる」から。