8月24日のNHK番組「サイエンス・ゼロ」では「近代クロマグロ養殖」を取り上げていました。

そしてクロマグロ養殖の技術は、奥が深いということを認識させられました。

完全養殖の成功から12年経つそうです。そして、いまや年間10万匹近い稚魚を出荷できるほどに大量生産が可能になった。

しかしその過程には、稚魚が大量死したり、共食いしたり、壁に激突したりと、様々な困難があったといいます。

産卵後、すぐに卵を救い上げて水槽で飼育するのですが、孵化した稚魚は、水槽に酸素を送り込むアブクにより水面に押し上げられ、水面の表面張力で潜ることができなくなり死亡してしまいます。

この問題は、水面に魚油をたらすことにより油膜ができ、水面の稚魚が潜ることができるように改善するのですが、3日目からは、この油膜が邪魔して稚魚が酸素吸入(最初に浮き袋を膨らませる)ことができなくなり、沈下死するというのです。

そこで3日目に油膜を取り除くという作業をして、酸素吸入(浮き袋を膨らませる)環境を整えてクリアしたといいます。

次に共食いの問題が発生し、稚魚のマグロより小さな稚魚を与えることでクリア。壁に激突死する問題は、マグロの稚魚が驚かない環境を作るなど、さまざまな試練をクリアされていきます。

まさに至難の連続。この難儀を何十年も重ねて近大マグロの技術は完成していきます。

本当に凄い!

このようにしてクロマグロの稚魚の生存率を、0.1%から10%に100倍改善したというのが現在おかれている状況のようです。

おいしいマグロを食べるためにも

クロマグロ養殖研究者たちの奮闘にエールを送りたいと思います!

http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp476.html