大阪は、『東海道中膝栗毛』の淀川川下りの場面で、鯨の煮付けが登場するほど鯨肉の大消費地でした。

都市部の瑞光寺に「雪鯨橋」などの鯨の供養遺構が存在するという点で稀有です。

「くじら橋」という民話が残っているそうです。

瑞光寺の知忍禅師(ちねんぜんし)が紀伊の国の太地浦を通りかかったとき、

クジラが捕れず飢えに苦しんでいた村人から涙ながらに頼まれて祈祷したといいます。

祈祷の満願の朝、水平線が黒く染まるほどの鯨の大群が現れます。

浜で解体されるクジラの姿を見た知忍禅師は呆然と立ち尽くし、こっそり瑞光寺に戻ります。

村人達は、瑞光寺を訪ね、黄金30両と鯨の骨18本をお礼に置いて帰ります。

知忍禅師は、鯨の冥福を祈って鯨の骨で橋を造ったというお話です。

食べ物への感謝の気持ちが、この橋を造ったのですね…

この情報は「放浪シカ」さんから頂戴いたしました。

http://asokan.jp/report/001016.html