東アジア訪日客の認知度、訪問意欲とも高い瀬戸内芸術祭 四国周遊で滞在日数増加を
(やまとごころ 2019年8月27日)
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今年のロンリープラネットの「アジア太平洋地域の訪れるべき目的地」の2位に「四国」が選ばれ、「瀬戸内芸術祭」も認知度が高まっているようだが、アジア3国の認知度は、台湾48%、香港34.1%、韓国28.4%だった。しかし、訪問意欲は台湾60.1%、香港42.1%、韓国82.6%と高いという。
「瀬戸芸」を訪日目的としている人は、回遊性が少ないようで、2025年の「大阪・関西万博」など、訪日客を回遊させる仕組みをしっかり考えないといけない。

【ポイント】
瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)は2010年から3年ごとに開かれるアートイベントで今年で4回目となる。

瀬戸芸への認知度は台湾48%、香港34.1%、韓国28.4%だった。また、往訪意欲は台湾60.1%、香港42.1%、韓国82.6%と高かった。
瀬戸芸を訪れる際の宿泊希望エリアは、3地域ともイベント会場の島々がある「高松/香川」が一番多かったが、岡山や関西エリアを挙げる人も台湾と香港でそれぞれ2~3割存在することから、瀬戸内という広域で周遊につなげられる可能性があると分析した。

瀬戸芸を訪れる日本旅行での宿泊日数は、台湾が4.4泊、香港4.7泊、韓国3.8泊だった。
観光庁による訪日外国人消費動向2018では台湾6.8泊、香港6.3泊、韓国4.4泊となっており、瀬戸芸に訪問意欲がある旅行の場合は日本旅行の平均宿泊日数より短い。

瀬戸芸往訪経験者は、繰り返し瀬戸芸に訪れる「瀬戸芸リピーター」が多い反面、瀬戸芸以外の四国地域への旅行の拡がりはあまり認められないとの見解を示した。
今後は瀬戸芸をきっかけとして四国全体にインバウンドの経済効果を波及させるため、瀬戸芸来訪者の関心を四国全体へ拡げ、滞在日数を増やす工夫が必要となる。

特に2025年の大阪・関西万博と、次々回に開催される瀬戸芸の会期が重なることが予想されるため、万博や瀬戸芸来訪をきっかけに、四国を含むより広域なエリアに訪日外国人を呼び込むプロモーションが必要であると指摘している。

(株)日本政策投資銀行(DBJ)の調査
2019年5月から6月にかけて、台湾、香港、韓国において、日本好き消費者3533名を対象に、オンラインアンケートを実施した。