今回は、株式会社 王宮(道頓堀ホテル)の橋本明元専務に『お客様の“あったらいいな”を実現する戦略!』について語っていただきました。
集客に苦しむホテル業界をよそに、常時稼働率90%を超える宿泊、キャンセル待ちのビジネスホテルに再建。社員さんに20万円の決裁権を持たせるなど、業界の常識を打ち破る戦略で業績アップを実現されています。

道頓堀ホテルは客室もシンプルなビジネスホテル。料金も9500円と強気の価格。稼働率90%を超える人気の秘密は“オモテナシ”だといいます。
橋本さんは中国で5年間修行を積み、日本の“オモテナシ”は世界一と実感したといいます。そして日本に帰国した時は、ホテル業界は価格競争の真っ只中。道頓堀ホテルも厳しい経営状況だったといいます。橋本さんは中国での経験と人脈を活かして東アジアをターゲットに戦略を転換。「海外の旅行会社が決定権を持っているので、その旅行会社に日本の魅力をうったえる」必要があると、海外への営業に走られています。

お客様を呼び込むポイントは“無料サービス”!
飲み物、インターネット、マッサージチェアー、インターネットを活用した国際電話、レンタサイクルすべて無料。お客様も「なんでも無料で使えて嬉しい」と言います。時には放置された自転車を引き取りに行くこともあるといい、スタッフの負担も少なくはありません。
橋本さんは「ホテルは簡単に値引きをするが、この値引きを経費と考えたら莫大な経費になる。無料サービスにかかる経費はわずか。そして、お客様の満足度は非常に高い」と言いきります。
戦略転換することにより、道頓堀ホテルの業績は急回復。橋本さんの狙いは的中しました。
しかし、成功の秘訣は従業員の“オモテナシの心”だと橋本さんは言います。
ロビーの飾り付けも従業員が自ら考え、オークションなどで安い経費で実現させています。
秘訣は「自分で考えること」。自分で考えてやることは楽しい。楽しいと良いものができる。それが“オモテナシ”に繋がるのです。
道頓堀ホテルでは20万円まで上司の承認不要のオモテナシ予算があると言います。
毎日10時から提供される「屋台ラーメン」、誕生日には人気ケーキ店の「ケーキプレゼント」も従業員から生まれた“オモテナシ”です。毎週火曜日に開催する“にぎり寿司”や“たこ焼き”など「日本文化体験」も従業員のアイデアで運営されています。
橋本さんは「自主性こそ従業員を本気にさせる!」と言います。
そんな道頓堀ホテルの“オモテナシ”とは、「お客様にとって“あったらいいな”を実現していくこと」をやり続けることだと、橋本様は熱く語られました。