友人Qさんの、「ななつ星in九州」の旅のレポート⑭を転載させていただきます。
今回は、「由布院での感慨」です。

Qさんのように、大きな仕事を成し得た第二の故郷を持つ人間は幸せです… そして、『観光』には、人間として取り組む値打ちと魅力があることを教えてくれます。
 
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 【由布院の夜】
列車でのディナーを終えると、由布院の親戚と言っている井尾ファミリーが、由布院駅で待っていてくれた。「ななつ星」の出発は23時過ぎなので2時間ほど時間がある。
小生のみが下車して、井尾ファミリーと町内のバーに向かった。
井尾君は、小生が由布院観光総合事務所事務局長を務めていた時、大学を卒業して新採として事務所に採用された青年だ。あれから17年の年月が過ぎ、今は豆腐料理店「市ノ坐」http://www.ichinoza.jp/を切り盛りしている。
**大豆と水とにがり。たったそれだけの材料で作られる豆腐はヘルシーで体に優しく、シンプルが故に変幻自在な食べ物です。“田中市”と呼ばれる湯布院のこの地に、そんな伝統食を真ん中に据え、人々が語らう食事処「由布院 市ノ坐」を開きました。***と挨拶があった店も、開業して既に5年がたつ。
小生が、由布院観光協会で駆け出しの頃、旅行社から「由布院には何がありますか?」と聞かれ、「・・・す、ススキがあります」と答えていた昭和40年代。それが今では行きたい温泉地ランキングのベスト3に常に入るようにまでなっている。
バーでひとしきり話したあと、由布院駅に戻ると、そのススキがダイナミックに活けられていた。
「ななつ星」の車体をバックに、何やら誇らしげに見えた。

(つづく)