(平成28年7月2日)

第11回「観光のひろば in 白鶴酒造」は白鶴酒造資料館の見学から始まりました。
豊富な展示物を見学した後、VISIT JAPAN大使で、日本酒の利酒師の資格を持つ、大阪経済大学・関西国際大学 客員教授の李 容淑(イ・ヨンスク)先生に『日本酒3.0 世界化戦略を考える!』について語っていただきました。

インバウンド観光客は確実に増えており、外国人が日本の伝統文化や日本食、そして日本酒に触れる機会が増え、日本酒の輸出量も確実に増えています。

 外国人が評価する日本の魅力は『匠』です。「現代技術」は、車の自動ドア、自動販売機にインバウンドは感動します。さらに焼き物、和紙、日本酒のような「伝統技術」に感動します。
 日本酒の輸出先の1位はアメリカ、2位は香港、3位は韓国です。韓国における日本酒の消費量は過去10年間で15倍と飛躍的に伸び、日本酒の海外輸出の22%が韓国です。

 韓国人が日本酒を好む理由は飲酒文化の変化があります。マッコリ⇨焼酎⇨ビール⇨ウィスキー⇨ワインと好みが変化し、今、日本酒が人気となっています。それは日本酒の品質の良さ、日本の匠の技や技術への信頼の裏付けがあります。これまでアルコール度の強い焼酎を飲んできた韓国人は、日本酒を健康的、二日酔いがないとして好まれるともいいます。日流ブームで居酒屋などが急激に拡大したのも大きな理由です。
 韓国のお酒、「マッコリ」「百歳酒」や、韓国で作った米のお酒「雪花」、野いちごで作った「覆盆子」などのお酒の紹介がありました。またビールとウィスキーを混ぜた「爆弾酒」の動画は圧巻でした。(https://www.youtube.com/watch?v=3uQa6xhsFFk) 韓国ではお酒の飲み方も楽しむので、テーブルに置けないお猪口などを日式専門店に投入するなどの提案もありました。
 1万円する日本酒と千円の日本酒の違いは飲み比べないと分からないので、利き酒で本当の味を知ってもらう必要があるとのお話でした。

日本酒を作るときに、酒米を使用する理由、精米する理由、精米による品質の違い、数秒を争う洗米、麹による糖化、酵母によるアルコール発酵など、複雑な製造工程を理解してもらわなければ本当の日本酒の良さは伝わりませんと結ばれました。

 日本人でさえ知らない日本酒の話をお聞きして、日本人がもっと日本のことを学ばないといけないと気付かされる講演となりました。