オーストラリア、知床、京都におけるコロナ禍の観光 (近況報告)
(観光のひろばZOOM 2021年3月23日)

【ポイント】
オーストラリア:シドニーでは、55日間、市中感染がない状況でコロナが収束の兆しがある。コロナ追跡アプリをほぼ全員スマホに入れており、感染しても自主隔離で対応できる状況。トラベルバブルを、7月からシンガポールと始めるといい、次の候補は、日本と韓国と副大統領が発表されました。
オーストラリアで、シェフを呼んで、大分県の食材を使った調理でプロモーションしました。紹介した食材が輸出促進につながればと思っているとの紹介でした。
知床:冬のアクティビティは「流氷ウォーク」が人気で、シーズン1万人の来客がありますが、今年は5割弱になる。「知床五湖の厳冬期のエコツアー」は、ピークの平成30年1800人でしたが、今年は700人と激減しました。外国人が5割なので、その分がスッポリ抜けてしまいました。
感動的なアクティビティなので、来シーズンには皆さんにも来ていただきたいと思っています。
京都:宿泊は厳しい状況が続いているが、次々と新しいホテルが建設され、秋に向けて25のホテルがオープンする予定です。3月21日に時短要請が解除され、修学旅行や卒業旅行も増え、1週間前と比較すると観光客は46%アップしました。
eバイクを使ったガイドツアーでは、外国人向けに6千円、8千円だったものを日本人向けに提供しても、参加者から好評なのが新しい潮流です。また、台湾向けに酒蔵オンラインツアーを開催し、越境ECとオンラインをつなげるプロモーションにトライするとのお話でした。

オーストラリアの状況 (JAMS.TV(オーストラリアの旅行コンサル)遠藤さん)

私が住んでいるシドニーでは、55日間、市中感染はありませんでしたが、海外からの帰国者1名の感染がありました。
帰国者は、ホテルでの2週間の隔離があるので、そこで感染者が判明する仕組みとなっているので大きな問題ではありません。
数日前に、ホテルのセキュリティ職員が感染し、たった1名だが大騒ぎになった程度です。

オーストラリアではコロナの追跡アプリをほぼ全員スマホに入れており、セキュリティの方の行動も把握できているので、接触した人は自主隔離して済んでいます。

カンタス航空の2月末の発表では、シンガポールとのトラベルバブルを7月から始めるとのニュースがありました。また、オーストラリアではニュージーランドとトラベルバブルをすでに実施しているので、シンガポールとの3ヶ国間のトイラベルバブルになるのではと言われています。
シンガポールの次は日本と韓国が候補にあがっていると副大統領から発表されました。

大分県の食材をプロモーションするイベントを3/8に行いました。オーストラリアのシェフなど20名ほど招待して、調理実演を行いました。その状態を撮影てFacebookライブで配信しました。大分県の食材は、干し椎茸、柚子胡椒、大分和牛を使い、茶碗蒸し、牛のタタキ、ボンゴレスパゲッティに調理しました。

あとは大分のお酒を試飲してもらうという内容でした。お酒はオーストオラリア人でお酒に詳しい方に登場いただきお話ししていただきました。

参加者の反応も良く、レストランのオーナーからは次回はもっと参加者を連れてくるとのお声もいただきました。

インフルエンサーもいたので、インスタやフェイスブックにも拡散していただけました。

イベント会場は大いに盛り上がるのですが、ハイブリッドで開催する場合、オンラインの方に、どのようすれば会場と同じように盛り上がるかの工夫が、必要だと感じたところです。

また、紹介した食材がどこで購入できるかの情報も発信して、輸出の促進につながればと思っています。

北海道知床の状況 (馬場町長)

知床からは、あまり良いニュースはありませんが、良いニュースとしては、2月10日からピーチアビエーションが成田〜女満別空港間の運行を再開しました。大いに期待しましたが、残念ながら毎日運行にはならなかった。
しかしこの2月10日頃から、人の動きが少しは出てきました。

冬のアクティビティは「流氷ウォーク」で、シーズンで1万人の来客がありますが、今年は5割弱になります。
緊急事態宣言を受けてこのような状況になりましたが、他地域と比較すると検討したと思っています。今回は、北海道内からの若者のお客様が多く、今後を期待できそうだとも思っています。

   「流氷ウォーク」は流氷の上を歩き

ドライスーツを着て海に落ちるような体験もあります。今年は流氷のシーズンも終わりですが、感動的なアクティビティなので、来シーズンには皆さんにも来ていただきたいと思っています。

また、もう一つのアクティビティ「知床五湖の厳冬期のエコツアー」は、ピークの平成30年に1800人でしたが、今年は700人と激減しました。
このアクティビティは外国人が5割いたので、その分がスッポリ抜けてしまったことになります。

ともかく、今は我慢のしどころだと思っているところです。

京都の状況 (京都府観光アドバイザーの釼菱さん)

今日は、京都市で作成された「京都市観光行動基準」を見てもらいながら話を進めたいと思います。

今はホテルを訪問するのは難しいので、状況把握はメールでやりとりしています。そのような状況の中でも次々と新しいホテルが建設され、4月にはパリのフォションという5つ星ホテルがオープン、秋に向けて25のホテルがオープンする予定です。

相変わらず厳しい状況にあるのは変わりませんが、3月21日に時短要請が解除され、1週間前と比較すると観光客は46%アップしました。この間、修学旅行も再開され、卒業旅行も増え、今は学生が街に溢れているという印象です。
今は外国人の方が宿泊するという環境にないので、日本の方の受け入れを考える中で、地域の魅力をどのようにして伝えるのかが最大の課題だと思っています。ホテルの中でも、女性のヨガ体験や座禅体験に取り組んでいるホテルは、女性のリピーター客を獲得しているというのが、最近の変化になります。

京都府域と観光でつなぐ役割としては、3月25日に「海の京都」のホテルのコンシェルジュ向けに「海の京都」のプログラムを紹介します。ホテルでは、まだスタッフが完全に働けていない環境もありますので、参加が難しい面もありますが、地域の文化や歴史を学ぼうという機運が生まれているように感じています。

また「海の京都」では、eバイク(電動スポーツ自転車)を使ったガイドツアーを始めた若者がいて、舞鶴の関心を持つ事業者と交流してもらって、レンタルだけでなく、ガイドツアーをやろうとの意見交換をしてもらいました。
これまでガイドツアーは、外国人向けに6千円、 8千円だったのですが、これを日本人向けに、同じような金額で提供しても、参加者から楽しいと言ってもらえる方が増えているのも新しい潮流です。

3月27日は、台湾向けに酒蔵のオンラインツアーをユーチューバーを呼んで開催します。台湾にも日本酒50本を送って、越境ECとオンラインをつなげるプロモーションにトライします。
次はニューヨーク向けのものも開催する予定です。

【参加者のコメント】
井上:川越市の副市長した時に川越に取り憑かれて、観光を勉強するようになりました。
川越も古い街なので、古民家を使ったレストランなども活発ですが、今日のアマゾンのショッピングツアーなど、新しい取り組みを始めてくれたら嬉しいと思っております。
佐竹:JALの接客が変わった。その昔ロボットのようなマニュアルが作成されていたが、今はそのようなマニュアルがなくなり、お客様ファーストで考える教育となった。
熊谷:昨年の3月からインバウンドのお客様はゼロになり、今は自治体からの要請を受けて、来るべきインバウンド復活に向けての取り組みを行っています。
福知山市と京都府の支援を受けて、京都府北部の体験などのコンテンツを紹介したサイト「北色」の立ち上げに関わっており、3/16にリリースしました。
https://www.kitairo.jp/