カジノ解禁で潤うのは誰か? 〜1兆5000億円市場の皮算用〜(日経ビジネスオンライン 9月16日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140912/271211/?n_cid=nbpnboml_mng&rt=nocnt 【ポイント】・経済効果1兆5000億円というのは米シティグループが昨年8月に発表したリポートに出てきた数字です。 東京と大阪、沖縄の3カ所にカジノができた場合、収入(客の負け分)を「年間約134億ドル~150億ドル(約1兆3400億円~1兆5000億円)」と試算です。 米系投資銀行のゴールドマン・サックスが同じく1兆5000億円市場と見積もっていますし、ある仏系の投資銀行に至っては約4兆円と試算しています。  IR施設全体の経済波及効果については約7兆円とする予測もあります。・1兆5000億円の市場規模のうち、外国人客からの収入は約33億ドル(約3300億円)に過ぎません。残りの8割近くは日本人客という想定です。 その根拠はパチンコ市場です。シティグループは、日本で約1260万人いると言われるパチンコ愛好者が平均で年23万円負けていることなどを根拠に、 だいたいその半分の690万人の日本人客がカジノに訪れ、1人につき17万円負けると想定しています。すると年間約1兆1700億円の規模になります。・マカオは35軒で年間4兆5000億円、シンガポールは2軒で6000億円の収入を得ています。米ラスベガスが約40軒で6500億円です。 一般客フロアとは別に設けられたVIPルームがカジノの収入の柱になっている。シンガポールで約5割、マカオでは7割に達する。・欧州のカジノは一種の紳士クラブのようなもので、非常に規模が小さい。米国はホテルや国際会議場などを備えたIR型が主流ですが、客単価はせいぜい150ドル(1万5000円)程度にとどまります。それがシンガポールでは約400ドル、マカオに至っては1500ドル以上です。・VIPルームを使う客の大半は中国人です。・統合型リゾートを建設するゼネコンは儲かる。また、プロジェクトファイナンスなどで外資系投資銀行も潤う。・焦って法案を成立させるより、もっと国民の間で議論を重ね、カジノがもたらすメリットやデメリットを見極めるべきだと思います。