持続可能な観光を推進する国ランキング、上位にスカンジナビア諸国、日本は53位に
(トラベルボイス 2021年3月15日)
https://www.travelvoice.jp/20210315-148375

【ポイント】
「旅行先でのゴミ削減やリサイクルを意識する」旅行者が53%います。
世界持続可能観光協議会によると、観光業は世界の経済活動の10%を占めるといい、観光が環境やコミュニティへ与える影響は、好ましいものと好ましくないものがあり、機会と責任が発生します。
「サステナブル・トラベル・インデックス」には、環境的持続性、社会的持続性、経済的持続性、カントリーリスク、持続可能な観光需要、持続可能な交通および宿泊施設の7項目の評価があり、2020年は、1位スウェーデン、フィンランド、オーストリア、エストニア、ノルウェーの順となり、上位はスカンジナビア諸国をはじめ欧州が独占しており、アジア諸国は低く、日本は53位にすぎません。
スカンジナビアでは、旅行事業者の65%がサステナブル戦略を実行しているといい、今後の観光には「サステナブルな観光」は不可欠になるようです。

【 内 容 】
グローバル市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルは、2020年の「持続可能な観光トップ国」ランキングを発表した。この調査は、「サステナブル・トラベル・インデックス」7項目(環境的持続性、社会的持続性、経済的持続性、カントリーリスク、持続可能な観光需要、持続可能な交通および宿泊施設)に基づいて、世界99カ国を対象に実施されたもの。

それによると、1位はスウェーデンで、続いてフィンランド、オーストリア、エストニア、ノルウェーがトップ5となり、上位はスカンジナビア諸国をはじめ欧州の国が独占した。スカンジナビアでは、全体の65%の旅行事業者がすでにサステナブル戦略を実行していると回答。全体では50%で、小売業の70%よりも低くなっている。

1位のスウェーデンは、調査指標7項目の多くでトップとなった。スウェーデン政府は持続可能な開発目標(SDGs)17項目を達成するために必要な枠組みを策定。特に、気候変動、北極圏での生態系保護、脱炭素の循環型経済を進めている。サステナブルツーリズムでは、主要都市内の地域観光を重視。「飛び恥」ムーブメントに見られるように、効率的な交通インフラや航空以外の移動手段を追求しているほか、宿泊施設では環境に優しい建築デザインで数々のロールモデルを生み出している。

一方、アジア諸国の順位は低く、最上位はラオスの51位。日本は53位、台湾が55位、中国が56位にとどまった。

また、モザンビークは全体では68位だが、環境的持続性指標では、観光における国立公園の保全や生態系保護が高く評価され、1位となった。

経済的持続性指標の1位は香港。全体では77位と低いものの、2020年6月に香港政府観光局が展開したデジタルプラットフォーム「Hello Hong Kong」キャンペーンなどが評価された。日本は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言後に、GoToトラベルで国内旅行者が増加したことから、最も改善した国のなかで20位となった。

このほか、持続可能な交通指標はオーストリア、持続可能な宿泊施設指標はリトアニアがそれぞれ1位となった。

総合トップ20は以下の通り。

• スウェーデン
• フィンランド
• オーストリア
• エストニア
• ノルウェー
• スロバキア
• アイスランド
• ラトビア
• フランス
• スロベニア
• スイス
• リトアニア
• クロアチア
• チェコ
• アイルランド
• ドイツ
• ベルギー
• デンマーク
• オランダ
• ポルトガル