withコロナ時代の地域課題を解決する自治体・DMOのデジタル活用事例、施設情報の整備からウォーキングアプリまでナビタイムに聞いてきた(PR)
(トラベルボイス 2020年11月13日)
https://www.travelvoice.jp/20201113-147467

【ポイント】
「マイクロツーリズム」が推進される中で、ナビタイムのウォーキングアプリ「ALKOO(あるこう)」は、歩いた記録が毎日自動で保存され「累計距離」や「自己ベスト」などを振り返ることができる。
「KANSAIウォーク2020」とも連携され、参加者のスマホの位置情報からウォーキングコースのナビゲートや完歩判定、景品提供までの機能が用意されている。観光にとどまらず、商店街振興とも連携できるように思われる。

【 内 要 】
新型コロナウイルスの世界的流行によって旅行の形態が変わり、旅行者を受け入れる各地域では新たな対応が求められている。3密回避のための分散化、対面から非接触のデジタルサービスへの転換など、安心安全を保つ観光サービスは、アフターコロナでも定着していくと考えられている。
鉄道や航空、フェリーから、コミュニティバスやシェアサイクルなどのマイクロ交通まで、複数の交通手段を組み合わせたマルチモーダルナビを強みとするナビタイムジャパンは、ニューノーマルでの地域課題に着目。さまざまな自治体と、デジタルサービスや交通ビッグデータに基づく解決策に取り組んでいる。同社メディア事業部セールスマネージャーの渡辺俊彦氏に、同社が進める「ニューノーマルな地域活性施策」について聞いてみた。

コロナ禍の地域課題を議論、データとデジタルで解決策
ナビタイムジャパンでは緊急事態宣言下の時期に、様変わりした日常生活と地域の課題解決のために同社のサービスで何ができるのか、社内で議論を開始した。
そこで出たテーマのひとつが、「正確な情報提供」。同社では「NAVITIME」などの自社サービスに店舗や施設の休業・時短情報を反映するための調査を行なっていたが、「当時は店舗が営業時間を変動的にせざるを得ず、各所で表示される情報はバラバラだった。これではどの情報が正しいのか判断できず、旅行者だけでなく地元の人たちも困るのではないか」(渡辺氏)という問題提起があったと話す。
特に、外出自粛のなかで拡大した飲食店のテイクアウトやデリバリー情報は、飲食店のみならず、自治体や観光協会も各ホームページに対応店の一覧を表示して情報発信に努めたが、それぞれの情報が異なるケースが散見された。
そこでナビタイムでは、「テイクアウト・デリバリーMap by NAVITIME」(テイクアウトMap)を開設。消費者が全国の店舗情報をエリア横断的に検索でき、その結果を地図上に表示するサービスを開始した。
同サイトの基盤には、同社の法人向けサービス「NAVITIME Location Cloud」を活用。店舗情報をテキスト登録することでウェブ上に店舗検索サイトを構築できるサービスで、大手チェーン店を中心に導入店舗が増えている。テイクアウトMapは、この既存のプラットフォームを活用することで、企画から10日でサイト開設を実現。ナビタイムが独自に収集した店舗情報に加え、自治体や観光協会にも情報登録を呼びかけた。
コロナ禍の状況と既存のプラットフォームの利用であることを踏まえ、自治体の利用は無料としたところ、港区や台東区、文京区など東京を中心に各地の自治体とのデータ連携が推進。自治体からは、「手元で情報管理ができ、修正時はすぐサイトに反映できる。最新情報の発信がしやすくなり、安心した」と喜ばれたという。

テイクアウト・デリバリーMap。北海道から九州、沖縄まで、多くの地域が参加

コロナ対応の一方、以前からデジタル化を推進してきた自治体は、その効果を検証し、今後どのように発展させていくかを考える段階に入ってきた。渡辺氏は、「以前は現状認識のためのデータ分析のご依頼が多かったが、分析と発信をセットで行ないたいという自治体が増えてきた」と明かす。こうした背景から、ナビタイムでも地域の課題解決に向け、自治体と共同で取り組む案件が増えてきた。
ナビタイムでは、こうしたコロナ禍での一連の取り組みを経て「地域の情報基盤の構築が重要」との認識を強めたという。

ウォーキングアプリ「ALKOO」を観光と地元経済を繋ぐツールに
コロナ禍で移動制限が要請されたなか、多くの自治体が地域内の観光や消費を促す「マイクロツーリズム」を推進してきた。その後、GoToトラベルキャンペーンが開始され、全国への旅行が再開されるようになったが、渡辺氏は「この傾向は今後も続くだろう」と見る。
渡辺氏は6月以降、各地域の自治体を訪問し、担当者と意見を交わすなかで、観光誘客の変化を感じた。コロナを境に地域内での経済活動に目が向き、「地元の人に地元をどう楽しんでもらうか」という声が増えたからだ。
そこでナビタイムでは、自治体や観光関係の事業者向けに、ウォーキングアプリ「ALKOO(あるこう)by NAVITIME」(ALKOO)の提案を強化した。
このアプリは、歩いた記録が毎日自動で保存され、「今までの累計距離」や「自己ベストの日」など、さまざまな形で自分の歩いた履歴を振り返ることができるもの。健康増進のモチベーションを高めるだけでなく、旅のコンテンツとして、ウォーキングコース、スタンプラリー、ポイント獲得による抽選、リアルタイムのランキングなどでも活用できるのも特徴だ。
取り組みの実例もあり、今秋には産経新聞社主催の「KANSAIウォーク2020」がALKOOと連携。例年は集団歩行型のウォーキングイベントとして開催されるKANSAIウォークだが、今年は密を避けるため、2か月間の開催期間中であればいつでも参加できる個人歩行型のイベントに変更しており、そのサポートとしてALKOOが採用された。
ALKOOのウォークラリー機能を活用し、参加者のスマホの位置情報を捕捉しながら、ウォーキングコースのスタートからゴールまでのナビゲートを実施。コース完歩の判定や景品提供の機能なども用意し、イベント申込から終了後のサポートまで、一気通貫で安心安全なイベント実施を支援した。
また、館林市と東武鉄道は、オリジナルコースの作成とウォークラリー機能を活用し、「里沼巡りウォークラリーイベント」を開催した。市内の史跡や公園など、3つのウォーキングコースを作成し、全コースの完歩者には記念品を贈呈した。

ALKOOで、主催者や地域の状況に応じた企画やサポートが可能

ALKOOのような健康増進志向のあるアプリは、自治体の住民向け健康福祉サービスで活用される例が多いが、渡辺氏は「散歩という日々の活動が、地元の発見に繋がる」とし、商工観光分野の「地域の新しい楽しみ方としても利用価値がある」と説明。
住民が地元を巡る機会が増えれば、地域内消費の機会も増える。住民の地元再発見はマイクロツーリズムの範囲を広げ、外からの観光誘致にも生かされるはずだ。渡辺氏は「旅行意欲を掻き立てる最も強い要素は、家族や友人知人の推奨。住民が居住地域を楽しんでいる様子が伝わることほど、魅力的なものはない」と、住民の地域活動が観光施策にも繋がることを強調する。
密を避け、観光客を面で受け入れるには?
ALKOOに加えて、ナビダイムはナビ機能を搭載したアプリ「自転車NAVITIME」も、地域の課題解決に有益なソリューションとして提案している。ナビタイムが提供するナビサービスのなかで、自転車の検索数が3月から徐々に増加し、6月には約2倍に拡大。コロナ禍で、健康志向やオープンエアな移動手段である自動車の利用が増加しているからだ。
自転車NAVITIMEは誤侵入防止など、自転車通行に特化したルート検索機能はもちろん、おすすめサイクリングコースを掲載する機能もあり、ALKOOのように地元再発見のマイクロツーリズム促進が期待できる。
渡辺氏は自治体との話のなかで、「観光客の混雑と集中は避けたいが、地域全体には来てほしい」という考えも多く聞かれたという。「分散させながらも、地域の面全体で満足度をどう上げていくか。観光受け入れの課題に、ALKOOや自転車NAVITIMEが寄与できる部分がある」と自信を示す。
例えば、前述のウォークラリーイベント。これをデジタルで実施する意義は大きい。昔ながらの紙台帳で実施する場合、コースを踏破した人の情報しか収集できないが、デジタルであれば、コースの回り方はもちろん、途中離脱したケースや参加者の年齢や性別、発地など、さまざまな情報を利用ログやアンケートから分析し、地域の隅々へ誘客する施策に活かすことも可能だ。
自治体からは、「データが残るため、機動性をもって、次回のイベントに向けて改善することができる」との声も届いているという。渡辺氏は「ウォーキングやサイクリングといったマイクロ交通の需要は、今後も変わらないだろう」と見ており、地域のインフラを持つ交通事業者や金融機関などとの多数の協業の話が進んでいる。

ウォーキングルートに魅力付けをすれば、住民/観光客とも地域を楽しめて観光と地域経済の促進に繋がる

目の前にある仕組みを新たな視点で
コロナの影響で、観光振興の次の一手を迷っている自治体は多い。これまで行なってきた施策が途切れ、イベントは中止となり、情報発信も密が発生する恐れがあるため、躊躇してしまう。実際、ある自治体では、観光素材である花の開花情報をホームページやSNSで発信してきたが、来訪者の殺到を避けるため、中止したという話も聞く。
ナビタイムでは、そのような悩みを抱える自治体や地域の事業者に向けて、ALKOOでも、自転車NAVITIMEでも、コストを初期設定費だけに抑えることで、導入しやすい環境を整えている。例えばコース設定の場合、既存のプラットフォーム上で行うため、スピーディーな実施が可能。コロナで年度計画が予定通りに進まないなか、期中の予算で着手し、次年度に繋ぎたいという相談も届いているという。
そのためにはまず、「新たにサービスを作るのではなく、既にある仕組みを新しい視点で取り組むことが重要ではないか」と渡辺氏は強調する。ナビタイムとしては、地域と話し合いながら、一緒に課題を見つけ、その解決を導いていきたい考えだ。コロナ禍で自治体や地域ができる観光復活のアイデアは、実は目の前にある。