ライブ配信を活用したプロモーション (株)ボーダレス 呉 偉偉さん
(『観光のひろば』 2021年7月13日 )

中国の内モンゴル出身で、日本に来て14年目の呉です。仕事はインバウンドのプロモーションです。個人的にも旅行が好きなので、SNSで情報発信をしており、微博(ウェイボー)のフォロワーは34万人(関西ならトップクラス、日本全国では中の上、女性が多い)になります。
コロナ禍の中、インバウンドが訪日できないので、ライブ配信するECショッピングの「ライブEコマース」を始めました。「ライブEコマース」とは、ECサイトとライブ配信を組み合わせた販売形態のことで、消費者の質問を受けながら買い物をするものです。
日本では、資生堂は「ライブコマース」として、動画を見てもらいながら商品説明や使い方の指導をする方式ですが、心斎橋パルコではEコマース」として販売まで行う方式を使っています。
中国では2019年から、お客さんが動画を見ながら商品を購入する「ライブEコマース」が流行り始め、2020年のコロナにより一気に増え、流通総額が9,610億元(約14.6兆円)になると予測されています。

ライブコマース
ライブEコマース

「ライブコマース」は、写真のように、食品なら食感などを伝えながら、お客様の質問に答える方式ですが、「ライブEコマース」は、あたかも自分がお店でショッピングしているように楽しみ、販売まで行う方式になります。
今日は、弊社提供サービスの「タオバオLive」「ウェイボーLive」「レッドLive」を紹介します。

タオバオLive (今、主流の販売方式)
① 販売に特化したライブ配信アプリ
② 一対多数、一人が解説して、向こう側に大勢の人が見ている。
③ タオバオサイトに商品登録し、タオバオを通して直接取引できる。
④ リピーターを育てることができる。
⑤ シェア機能があり、見ているユーザーが自分のSNSにシェアすることができる。 
⑥ チップ機能があり、見る時間が長いほどもらえる額が大きくなる。

ウェイボーLive (私も観光しながらLive配信しています)
① 情報宣伝拡散に適したアプリ
② 一対多数、一人が解説して、向こう側に大勢の人が見ている。
③ リツイート機能があるため、気に入ったら自分のタイムラインでシェアすることができる。
④ アプリ自体にショッピング機能はないのだが、外部ショッピングサイトへリンクを付けることができる。
⑤ ライブ配信後に記録も残るため、配信中見られなかったユーザーが後で見ることもできる。
⑥ ファンを育てることができる。

レッドLive
① 商品使用感想をメインに投稿しているユーザーが多いライブ配信アプリ
② 一対多数、一人が解説して、向こう側に大勢の人が見ている。
③ フォロワー数が1000人以上になるとショッピング機能が利用できる。
④ リピーターを育てることができるし、フォローしているユーザーの他、自然に入ってくるユーザーも多い。
⑤ 他のSNSへリツイートすることができる。
⑥ ライブ配信終わった後は記録残らない。

コロナ後、インバウンド向けにも「ライブEコマース」は、①ホテルや飲食店の予約、②地方自治体のプロモーション、③地場産品の販売による地域活性化などに、活用可能だと考えております。

この写真は「御朱印帳」ですが、最近人気になっており、購入してほしいと頼まれれば、購入して送ることもあります。柳谷寺に行った時、1万円寄付した方に限定の御朱印があり、4名が寄付されました。
藤井寺市では、お寺と古墳をめぐる御朱印帳のようなスタンプ帳を作っておられます。

補足説明
・会社の「ライブEコマース」は、購入されたお客様から手数料を得る方式で、販売企業側の負担にはなりません。また、個人的にSNSで頼まれたものは無料でサービスしています。
・京都市信用金庫でお客様向け越境ECプログラムを開発し、6月からリリースされて結構売れています。宣伝の一部を弊社で行なっているのですが、錦市場でライブ配信した時、ゴマや、海苔、ジャムがよく売れていました。「ゴマや振り掛けは、ご飯を食べない子供がご飯をよく食べるようになりました」とのコメントもいただいており、1回食べた人はリピータになる人が多いようです。