中国:海を渡る富裕層…「投資で永住権」魅力
(毎日新聞 1月19日)http://mainichi.jp/select/news/20150119k0000e030151000c.html

【ポイント】

中国が移民ブームに沸いている。国連の統計で1990年に408万人、2000年に549万人だった中国人移民累計は、13年には934万人と急増し、世界4位に浮上。特に富裕層やエリートの移民が増えている。
富裕層の目当ては、米国などが行っている一定額以上を投資すれば永住権がもらえる「投資移民」だ。米国の場合、雇用を生み出す事業に50万ドル(約6000万円)以上が条件だ。14年は米国の投資移民のうち8割以上を中国人が占めた。

12年末で中国には不動産・金融資産1000万元(約1億9000万円)以上の富裕層が105万人おり、64%がすでに移民したか、検討中という。移民先は米国の他にカナダ、豪州などが人気だが、景気低迷にあえぐポルトガルやギリシャ、キプロスなども近年、投資移民制度を次々と導入。新たな移民先として注目されている。

中国の法律では、個人が海外送金できる外貨は年間5万ドルまで。仲介業者は「大手国有銀のマカオ支店に口座を開き、友人や親族十数人の名義で送金する。詳細は明かせない」と口を濁す。金融商品の購入と引き換えに海外支店が融資する銀行もあり、抜け道には事欠かない。