カード会社間の手数料率公表求める VISAなどに、公取委
(日経新聞 2022年4月8日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA079H00X00C22A4000000/?unlock=1

【ホッシーのつぶやき】
クレジットカード決済は、2008年の11.9%から2019年に26.8%と年々伸びている。自らカード発行や加盟店管理を行わないVisaなどの国際ブランド(カテゴリーI)の国内シェアが70.2%で、平均加盟店手数料率は2.63%だという。
海外では60超の国において標準料率が公開されているが、我が国では、標準料率もイシュア手数料率も公開されていない。公取委は「公表が望ましい」と指摘している。
日本のクレジットカード利用率が低かったからなのかもしれませんね… 今の26.8%でも低いのでしょうか?

【 内 容 】
公正取引委員会は8日、VISA(ビザ)やマスターカードなど国際ブランドのカード会社に対し、カード会社間の手数料率の公表を求める考えを示した。カード会社間の料率が明らかになることで、小売りや外食などの店舗側がカード会社に加盟店手数料の引き下げを求めやすくなる効果を見込む。キャッシュレス決済の普及を後押しする。

店頭などでの決済時、店舗側と消費者で契約しているカード会社が異なる場合は、店舗側のカード会社に消費者側の会社への手数料負担が生じる。公取委は昨年7月、こうしたカード会社間の手数料率について調査を始め、8日に発表した報告書で料率の公表を求めた。
日本で7割のシェアを持つビザ、マスターカード、中国銀聯(ユニオンペイ)が対象になるとみられる。公取委は自主的な改善を促したうえで、公表を求める手法や公表の期限などを詰める。

これまで国際ブランドの多くは日本でカード会社間の料率を公表してこなかった。カード会社間の手数料は、店舗側が支払う加盟店手数料が原資だ。調査では店舗の67%が、料率が公表されれば「加盟店手数料の交渉材料の一つにする」と回答した。
国際ブランドは海外の60カ国以上ではカード会社間の手数料率を公表している。日本では公開を義務付ける規制がなく、公取委は2019年にも同様の調査報告で「公表が望ましい」と指摘したが是正につながっていなかった。

公正取引委員会はクレジットカードの手数料をめぐってカード会社や店舗、消費者などを調査した(8日の発表会見)
公取委は今回、国際ブランドを含むカード会社、店舗、消費者などに聞き取りや書面で調査した。

調査では交渉を通じて加盟店手数料が実際に下がった店舗が75%あったことが明らかになった。交渉した店舗の平均料率は、交渉していない店舗よりも0.4ポイント低かった。公取委は交渉が手数料下げにつながる実態を踏まえ、「国際ブランドは日本でも料率を公表することが適当」と改めて指摘した。

公取委は国際ブランド同士が共同で手数料率を決めるのは独占禁止法違反(不当な取引制限など)となる恐れがあるとも警告した。今後、経済産業省とも連携して是正を求める。

クレジットカードの取引に関する実態調査について(概要):公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/apr/220408_pressrelease4.pdf

クレジットカード決済は2019年に26.8%となり、年々伸びている。

加盟店手数料は、加盟店からアクワイアラに支払われる手数料で、イシュア手数料のほか,加盟店の取扱高・ 売上高,他のアクワイアラが提示する手数料,同一産業区分 の他の加盟店に適用する手数料等を考慮して設定され、カテゴリーIとカテゴリーIIがある。
平均加盟店手数料率は、カテゴリーIが2.63%、カテゴリーIIが2.89%。

・自らはカード発行や加盟店管理を行わない国際ブランドで、Visa,Mastercard,Union Pay(銀聯)が相当し、国内シェアは70.2%。(カテゴリーI)
・自らもカード発行や加盟店管理を行う国際ブランドで、 JCB,American Express,Diners Clubが相当し、国内シェアは29.8%。(カテゴリーII)

・我が国では,標準料率も他のイシュア手数料率も公開されていない。
・海外をみると,60超の国において,カテゴリーIのうち1者以上の国際ブランドの標準料率が公開されており,米国のように,公開を義務付ける規制がないにもかかわらず公開されている国も存在。他方,カテゴリーIIのイシュ ア手数料率が公開されている国は確認できない。