12/14のKNS定例会inATCにおいて、観光庁の観光地域振興部長の吉田様の講演が素晴らしかったのでご紹介いたします。

その②のポイントは次のとおりです。
 2020年のオリンピックは日本ブランドを高めるための強力なツールである。
 開催国決定から日本への関心が高まっている。
 また、過去の開催国の事例から見て、開催年度の観光客は大きく増加していない。
 開催中はむしろ減少している。開催前から観光客は増加しはじめ、開催後さらに増加する傾向がある。  【2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた観光戦略】
・ オリンピック開催国『日本』という国際的注目度を活かした訪日プロモーションは、もう始まっている。
・ オリンピック開催後も続いていく、国のブランド価値を高める強力なツールになる。
ロンドンオリンピックは成功しているが、観光客は0.9%の増加にしか過ぎない。むしろ開催期間中の観光客は減少している。オリンピックによる観光への波及効果はオリンピックの準備期間、そして終了後に出てくる。
・ 東京オリンピックの経済波及効果は、東京都で約1兆6700億円、その他の地域で1兆2900億円、合計で約2兆9600億円と試算されている。
・ IOC憲章で文化プログラムが義務付けられており、ロンドンでは、2008年~12年の間に、全英1000ヶ所で17700イベントが実施され、4300人が参加している。
・ 競技の事前トレーニング等による効果も見込める。

【観光による地域活性化策】
・ 観光立国の基本理念は『住んでよし、訪れてよし』。「自らの地域を愛し、誇りを持って暮らしているならば、おのずと誰しもが訪れたくなる」(観光立国懇談会報告書)
・ まずは有名どころに集客するモデルコースを、顧客目線で作成する。
・ 目指すのは『滞在型観光』への転換。リピータ確保にむけた地域の観光資源のブラッシュアップ。
・ 日本は訪日外国人のリピータ率(平均で57%)が高い国だ。東南アジアは四季が無いため、観光客は四季を求めてリピートしている。
・ そのためには観光地域づくりマネージャーが求められる。(成功している地域では、人材の努力と活躍が成果に結びついている)

何故、『観光』に力を入れなければならないのか、何故、オリンピックをチャンスにしなければならないのか、よく分かる講演だった。
『和食』のユネスコ世界無形文化遺産への登録も同じだ。「日本と言う素晴らしい国が作ったものだから素晴らしい」という、ブランドづくりのチャンスがきているということだ。
7年後のオリンピック開催までに準備しなければならないことに邁進して行かなければならない。