経済財政運営と改革の基本方針 2021(仮称) (原案)
(政府の経済財政諮問会議 2021年6月9日)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2021/0609/shiryo_01.pdf?fbclid=IwAR0e3AhnxwpBDptF_AtZBGiVrFgrsTY8nWI_-KunpFvQH6vUeCB03XONtVM

【ホッシーのつぶやき】
政府、経済財政諮問会議「骨太方針2021(原案)が、とりまとめられました。
「観光・インバウンドの再生」の項の冒頭には、「観光関連産業は約900 万人が従事し、地方を支えている。観光立国実現に官民一丸で取り組む」と書かれています。
想定内の対策がほとんどですが、観光が日本経済の根幹をなすことからも「骨太方針」に書かれることは重要になります。

【 内 容 】
第2章 「次なる時代をリードする新たな成長の源泉」は、4つの原動力と基盤づくりとして、1.グリーン社会の実現、2.官民挙げたデジタル化の加速、3.日本全体を元気にする活力ある地方創り〜新たな地方創生の展開と分散型国づくり〜、4.少子化の克服、子供を産み育てやすい社会の実現、5.4つの原動力を支える基盤づくりが掲げられ、「観光・インバウンドの再生」は、3.日本全体を元気にする活力ある地方創りに掲載されています。

第2章 次なる時代をリードする新たな成長の源泉 〜4つの原動力と基盤づくり〜(目次の掲出)
1.グリーン社会の実現
(1)グリーン成長戦略による民間投資・イノベーションの喚起
(2)脱炭素化に向けたエネルギー・資源政策
(3)成長に資するカーボンプライシングの活用
2.官民挙げたデジタル化の加速
(1)デジタル・ガバメントの確立
(2)民間部門におけるDXの加速
(3)デジタル人材の育成、デジタルデバイドの解消、サイバーセキュリティ対策
3.日本全体を元気にする活力ある地方創り〜新たな地方創生の展開と分散型国づくり〜
(1)地方への新たな人の流れの促進
(2)活力ある中堅・中小企業・小規模事業者の創出
(3)賃上げを通じた経済の底上げ
(4)観光・インバウンドの再生
(5)輸出を始めとした農林水産業の成長産業化
(6)スポーツ・文化芸術の振興
(7)スマートシティを軸にした多核連携の加速
(8)分散型国づくりと個性を生かした地域づくり
4.少子化の克服、子供を産み育てやすい社会の実現
(1)結婚・出産の希望を叶え子育てしやすい社会の実現
(2)未来を担う子供の安心の確保のための環境づくり・児童虐待対策
5.4つの原動力を支える基盤づくり
(1)デジタル時代の質の高い教育の実現、イノベーションの促進
(2)女性の活躍
(3)若者の活躍
(4)セーフティネット強化、孤独・孤立対策等
(5)多様な働き方の実現に向けた働き方改革の実践、リカレント教育の充実
(6)経済安全保障の確保等
(7)戦略的な経済連携の強化
(8)成長力強化に向けた対日直接投資の推進、外国人材の受入れ・共生
(9)外交・安全保障の強化
(10)安全で安心な暮らしの実現

観光・インバウンドの再生(全文掲出)
観光関連産業は約900 万人が従事し、地方を支えている。我が国の自然、気候、文化、食といった魅力は失われておらず、観光立国実現に官民一丸で取り組む。
Go To トラベル事業は、今後の感染状況等を踏まえて取扱いを判断することとし、宿泊施設・観光地等での感染拡大防止策を徹底した上で、地域観光事業支援を実施する。ワーケー ションや休暇取得促進等により旅行需要平準化を図り、混雑を低減させる。
観光客が戻るまでの時間を活用し、観光業や観光地の再生のため、宿泊施設や飲食、土産物店等の施設改修や廃屋撤去、経営力底上げやDX推進等による収益性・生産性向上、金融機関等と連携した宿泊施設再生、自治体等の観光施設への民間活力導入等に取り組む。
地域内の縦割りを超えた観光業と異業種の連携によるコンテンツ造成や、デジタル技術も活用した観光資源の磨き上げ、スノーリゾート整備や国立公園の滞在環境上質化、古民家等の歴史的資源の面的活用、文化観光拠点等の整備や三の丸尚蔵館の美術品等の地方展開等を進める。日本酒、焼酎・泡盛等のユネスコ無形文化遺産への登録を目指す。
多言語表記やバリアフリー、CIQ等の受入環境整備、観光地への交通の充実、上質なサ ービスを求める観光客誘致のための取組を進める。国内外の感染状況等を見極めながら、小規模分散型パッケージツアーの試行等により、安心・安全な旅行環境整備を目指す。
IR整備は、厳格なカジノ規制の実施を含め、所要の手続を着実に進める。

【注釈】
三の丸尚蔵館:皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などの美術品類に加え,故秩父宮妃のご遺贈品,香淳皇后のご遺品,故高松宮妃のご遺贈品,三笠宮家のご寄贈品が加わり,現在約9,800点の美術品類を収蔵。

CIQ:国境を越える交通および物流において必要であるとされる手続きで、税関(Customs)、出入国管理(Immigration)、検疫(Quarantine)を包括した略称。