トリップアドバイザー、新型コロナ対策で新機能を続々、旅行者の旅行再開時期を聞いた調査結果も公開
（トラベルボイス 2020年4月30日）
https://www.travelvoice.jp/20200430-146058
新型コロナが収束後、日本人の国内旅行の再開は、1年以内が61%、海外旅行は1年以上先が87%を占めた。
旅行先は「自宅から90分以上」が34%、「国内線を利用」が23%と、遠出を希望する人が半数を超えている。
外国人の海外旅行再開は「1年以内」がシンガポールで70%、イギリスでは60%にのぼったという。
トリップアドバイアザーの予測は、他の予測より楽観的なようだが、観光関係者には希望をもたせてくれる。
【ポイント】
トリップアドバイザーは、新型コロナウイルス対策で拡充した今後の取り組みについて発表した。
同時に、4月に実施した新型コロナウイルスに関する旅行市場動向調査や2019年の訪日外国人のクチコミトレンドの「インバウンドレポート2020」について説明した。
日本人の国内旅行再開は1年以内が61%、海外は1年先が大部分
オーストラリア、シンガポール、イギリス、アメリカ、日本で、過去2か月以内に旅行を経験した意思決定者に各国400名に新型コロナウイルス収束後の旅行再開のタイミングを聞いた。
日本人旅行者は、国内旅行を再開する時期について、「1年以内」が61%、「半年以内」も34%となった。海外旅行では「1年以上先」が87%と大部分を占めた。
次回の旅行先については、「自宅から90分以上」が34%、「国内線を利用」が23%となり、遠出を希望する人が半数を超えた。
（日本人旅行者に聞く）
次回、国内旅行に行くタイミングは？
（日本人旅行者に聞く）
次回、国内旅行に行くタイミングは？
（日本人旅行者に聞く）
次回、海外旅行に行くタイミングは？
外国人旅行者を対象とした調査では、旅行先としてシンガポール、オーストラリア、イギリスで20%以上が「5時間以上の海外」と回答。シンガポールでは「3～4時間の海外 (41%)」も含めると、70%近くが海外旅行を望んでいる。
再開のタイミングは、「1年以内」がシンガポールでは70%、イギリスではおよそ60%にのぼった。
トリップアドバイザー日本法人は「人にとって旅行は引き続き重要なもの。新型コロナウイルスが一段落すれば必ず需要は戻ってくる。日本の観光・旅行事業者は、まず国内旅行をどうしていくかを考えることが大事。インバウンドについては将来確実に戻ってくるので、現在はそのときまでの準備期間として考える方がいい」との見解を示した。
2019年のインバウンドにおけるクチコミを分析した「インバウンドレポート2020」
都道府県別のクチコミ件数は、前年と変わらず東京、京都、大阪、北海道、沖縄の5都道府県で全体の約66%を占めた。特徴的な点は、山形、岩手、秋田などの東北で前年比30～50%増加している。
欧米豪旅行者から見える日本の課題は、アジアにおいて日本は情報収集量では2位だが、実際のクチコミ投稿数では5位に下がる。
1位はどちらもタイ。「欧米豪にとって日本は興味の高い目的地だが、効率的にクチコミを獲得できていない」。店頭にステッカーを貼るだけでなく、アンケートと同時にトリップアドバイザーへクチコミを依頼すること、会計の際のトリップアドバイザーのマネークリップを置くことで、クチコミを喚起させるなどの取り組みを勧めた。
欧米豪の旅行者によるクチコミ評価の平均点では、日本は宿泊施設、飲食店、観光/アクティビティとも他のアジアよりも低くい。「ハード面の評価は高いが、人を介したソフト面で改善の余地がある」と分析した。
飲食店向けに、テイクアウトやデリバリー営業の告知を無料設定できる日本語版も追加し、ギフトカードなどの販売表示も可能にした。「新型コロナウイルスの感染拡大で世界の都市でロックダウンや外出自粛が行われているなか、大きな影響を受けている飲食店を支援する取り組み」と説明。
利用者に対しては、レストランページでテイクアウト、デリバリー、ギフトカードの提供飲食店が検索できるようになった。トリップアドバイザーへの掲載飲食店のうち、約3万軒がテイクアウト・デリバリーを提供、ドライブスルーも4000軒あるという。
宿泊施設向けには、日本でも医療従事者向けの宿泊サポートプログラムを開始する。
医療従事者と宿泊可能な施設とをマッチングするプラットフォームで、トリップアドバイザーに掲載されているすべてのタイプの宿泊施設が参加できる。
削除対象となるクチコミは、機械的処理の後に人的マニュアルで確認を行うが、新型コロナウイルス関連のクチコミについては、すべて人的マニュアルで確認する。
5月1日～6月30日にかけて、「きっと行く旅リストキャンペーン」を展開する。これは、新型コロナウイルス終息後に行きたい国内の場所や施設を旅リストに保存して公開するキャンペーン。公開した人の中から、毎月抽選で将来使えるチケットやグッズをプレゼントする。
このほか、トリップアドバイザーとしては初となる事業者向けウェビナーを5月中旬～下旬に開催予定。トリップアドバイザーの活用方法などを紹介する。