旅行経験者は「SDGs」への意識が高い傾向、高価格でも購入したいトップは「地産地消」、JTB総研が調査
(トラベルボイス 2023年1月8日)
https://www.travelvoice.jp/20230108-152730

【ホッシーのつぶやき】
旅行経験者はSDGsについて「詳しく知っている」は41%と高い。しかし日常生活で実践できている行動が、旅行中「テレビ・照明のまめな消灯」「エアコンの温度調節」等あまりできていない。できない理由は「旅行中は考えたくない/面倒くさい」が大半だった。利用者の心理をよくついた結果のようだ。

【 内 容 】
JTB総合研究所が「SDGsに対する生活者の意識と旅行~国内編~(2022)」を発表した。レポートは全国18~79歳の男女9995人に事前調査したうえで、過去3年間に1泊以上の国内旅行をした2000人を対象に本調査を実施した。

SDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17のゴール、169のターゲットから構成されている。まず、事前調査による生活者全体の認知度については、「詳しく知っている」「17のゴールは知っている」の合算は30.2%で、前年より5.1ポイント上昇した。過去3年間の国内旅行経験者は生活者全体と比べ、SDGsの認知度(40.8%)も重要性の認識(69%)も高い。

ゴール「海の豊かさを守ろう」を重視
17のゴールで国内旅行経験者が旅行・観光分野に最も重要と思うのは「気候変動に具体的な対策を」(12%)だった。「どれも重要と感じない」が9.5%と前年から4ポイント減少するなど、関心が高まっていることがうかがえる。また、重要と思うゴールを最大5つまで複数回答してもらったところ、トップは「海の豊かさを守ろう」(38.1%、前年比3.1ポイント増)で、「安全な水とトイレを世界中に」(35.7%、同1.5%増)、「陸の豊かさを守ろう」(31.3%、同1.6ポイント増)が続いた。

「旅行中は考えたくない」も依然多数
ただ、日常生活で実践しているSDGsに配慮した行動が旅行中はあまり実践できていないようだ。前年よりは「マイボトルの持参」「節水への取り組み」などすべての項目で改善しているものの、特に旅行中との差が大きかった行動は、「テレビ・照明のまめな消灯」(差が36.1ポイント)、「エアコン、ヒーター等の温度調節、利用制限」(同34.1ポイント)で、できない理由は「旅行中は考えたくない/面倒くさい」が大半だった。

一方、旅行中の今後の実施意向は、「被災地など応援したい地域を旅先として選択」(16.4%)、「レンタカーはEVやハイブリッドを指定」(14.2%)、「スリッパやパジャマはなるべく持参する」(14.1%)だった。

商品・サービスの価格差の考え方は?
現在、地域や旅行会社はSDGsを推進する旅行商品やサービスに力を入れているが、従来型よりも料金が高くなる傾向が少なくない。価格が高くても購入意向があるかどうか聞いたところ、「訪問地の産品の使用(地産地消)」(32.1%)、「食品ロスの削減、再生可能素材の利用などによるゴミの削減活動」(29.6%)、「環境に配慮している施設の利用」(28.3%)といった取り組みが上位となった。もっとも、「価格差があるなら選ばない」も少なくない。

なお、旅行者の立場から観光事業者がSDGsに対してすべき取り組みイメージは、航空・鉄道は「エネルギーの節約や環境負荷の削減」、宿泊・飲食は「ゴミの削減やリサイクルの活動」「食品ロスの削減」、旅行会社は「労働環境の整備」「取り組みの発信」がそれぞれ高かった。