NHKのサイト「教えて先輩!」、星野リゾート代表 星野佳路さんが『若者に旅を好きになってもらうために』前編
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/senpai/senpai37/
後編
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/senpai/senpai39/?utm_int=news_contents_special_001
 

星野佳路さんが若者に語っている内容が素晴らしい。
前編は「家業」を継ぐ事について触れられ、民間の企業価値の半分は同族会社が作っている事。ベンチャービジネスは格好良く聞こえるが、立ち上げリスクが大きい事を若者に伝えています。
後編は「フラットな組織文化」、言いたい事を、言いたい人に、言いたい時に言えるフラットな組織を作り、若い人の発想を活かした新しい経営手法を採用されている点が素晴らしいです。
若い人へのアドバイスとして、「やりたいコトより、できるコト!」という言葉も重みを感じます。

【前編のポイント】
・1991年に家業の「星野温泉」を継いだ。日本の登録企業の90%以上が家業です。利益ベースでも民間の企業価値の半分は、同族会社が作っています。
・キャリアパスを考える時に、やりたいことを考えるのも大切ですが、「自分の役割」を考えてもらいたい。
・自分がどうやって、地域や国、世界に貢献できるのかですから、家業がある人は、その家業を継いで伸ばすということが自分の役割として認識してもらえるといいなと思ってます。
・ベンチャー企業というと、なんかかっこいい。しかしベンチャービジネスは大半が3年持たずに倒産する。それは立ち上げリスクが大きいからです。私は、家業を立ち上げリスクが小さいベンチャービジネスと捉えた。立ち上げリスクはないけど、伸ばす余地はすごくある。
・バブルが崩壊した時、供給過剰が起きた。悪いことも起きたが良い事もあった。景気が悪くなったので、人が採用しやすくなった。建設コストの下落、低金利。それは当時のうちのような小さな企業にとってはすごくありがたかった。
・不景気が10年続きましたから、10年間新しい企業が出てこない。だって供給過剰ですから。その10年間、淡々と人材を集め、ノウハウをため、お金を借りて、と繰り返すことができたのは、本当に貴重だった。
・私が軽井沢の実家を引き継いだ150人の会社。今、従業員数3000人体制になって、当時とは容易さが違う。
・冬の一日のスケジュールですが、スキーすごくされますね?
・スキーは趣味として、いろいろな世代の、社内外の人と行けるし。旅とも連携していて、世界中いろんな山に行くことができる。50歳になった時に考えた。人生最後の後悔ってなんだろうかと。あるとすれば「もっと滑っておけばよかった」って思った。70歳になってから滑ろうといっても難しい。なので50歳の時からスキーの滑走日数については目標設定して、毎年最低60日は滑っていく。会社の業績よりもこだわっています。
・スキーに行きながらパソコンを通じて会議に参加できるっていうのは、私にとって必須アイテムです。
 
【後編のポイント】
・各施設では、総支配人を含めて比較的若いメンバーでチームを構成しています。「フラットな組織文化」と私たちは呼んでいますが、「言いたい事を、言いたい人に、言いたい時に言える」フラットな組織、人間関係をつくっていこうとしている。若い人たちが、自分たちで新しい魅力を考えています。
・カジュアル向けホテル「BEB5軽井沢」には、24時間オープンのパブリックスペース「TAMARIBA(タマリバ)」がある。ここでは持ち込みOKにして、若者が自由にくつろげるスペースを提供している。
・「ハプニングステイ」というプランがあります。あなたの滞在中に必ずハプニングがいくつも起こりますっていうプランです。
・ゴールデンウィークだろうが、土日だろうが平日だろうが、365日価格をそろえた。
・今の20代の人たちは、10年後、20年後に日本の旅行市場を支えていく世代。30年前の20代と比べ、今の20代の人たちは、減ってきている。20代の時から旅が好きだと言っていただけるようにしなきゃいけない。業界全体の課題です。
若者の旅が減った理由の一つは、昔は東京から鈍行が出ていた。東京から長野にスキーに行くとすると6時間くらいかかるけど値段は安い。若者はお金はないけど時間はある。
・これからは日本の存在感が落ちていく時代。人口減少しているからで、人口は経済力であり、存在感です。日本の文化がいかにすばらしくとも、人口減少が避けられない状態の中で、高齢化が進み、経済全体が縮小し、日本の存在感が落ちていく。
日本の存在感が落ちていくときに、若い人たちが自分の存在感を落としてはいけない。世界で活躍できる能力をつけるってことはすごく大事だと思います。
・若い人へのアドバイス。「やりたいコトより、できるコト!」