欧州、バカンス観光地の「緩み」警戒 各国がマスク義務化
(産経新聞 2020年7月17日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bfe2e5a337953cc39475e40aecdb9066c850eaea

EUも、新型コロナによる都市封鎖解除後、観光客による集団感染も相次いでおり、各国は感染阻止に向けて、マスク着用義務化などに動き出したという。
観光客が感染対策を無視して、密集してパーティーで連夜大騒ぎし、地元住民から反発が出たようだ。
「観光」は住民の生活と、観光客の満足の両立が条件だけに、一部の観光客の無責任な行動で台無しにしてはいけない。

【ポイント】
欧州連合(EU)で、新型コロナウイルスによる都市封鎖の解除後、バカンス観光客の「緩み」が問題化している。集団感染も相次いで発覚し、各国政府は第2波阻止に向け、マスク着用義務化などに動き出した。

スペインのマジョルカ島では今週、観光客の集うバーが閉鎖された。当局が「公道や建物内ではマスク着用を義務付ける」と発表。警察の巡回も始まった。ドイツ人観光客が感染対策を無視して連夜、密集してパーティーで大騒ぎしたことに、地元の不安が高まった。
島は人口90万人に対し、年間約900万人が訪れる観光地。このうちドイツ人は300万人を占める。EU域内の国境開放に伴って6月半ば、ドイツから団体ツアー客が到着したとき、観光業者は拍手で迎えたが、反応は様変わりした。
ドイツのマース外相は、「欧州は国境をようやく開けられるようになった。一部の無責任な行動で台無しにしてはいけない」と観光客を批判。新たな移動制限も辞さないと警告した。

フランスでは先週末、南仏のニース海岸で、野外コンサートに約5千人が結集した。
マスクなしで集団で踊ったり、抱擁したりする様子が動画で伝わると、市長は「無責任な行動を放置しては、安全は守れない」と憤慨。市内のイベント集客は2500人を上限にすると表明した。感染対策で国が決めた基準の半分だ。

ドイツでは6月、西部ノルトライン・ウェストファーレン州で、食肉処理場の従業員7千人のうち、1500人以上が感染していることが発覚。処理場や団地の周辺に一時、隔離措置がとられた。

フランスでも6月末以降、西部マイエンヌで感染が広がる。当局は住民30万人に対し、PCR検査の実施を呼び掛けている。カステックス首相は7月16日に国会で、店舗や建物内では来週以降、マスク着用を義務付けると表明した。

スペインでも東部カタルーニャ州などで感染が広がり、政府の16日の発表では1日当たりの新規感染者は580人になった。地元メディアによると、5月10日以降で最も多い。

ポルトガルでは今月1日以降、リスボン首都圏の一部で、移動自粛や飲食店の夜間営業禁止などの措置が続いている。