高級ホテルなのに受付がない理由
「アンダーズ東京」のラグジュアリー論
(日経ビジネスオンライン 12月17日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141215/275153/?n_cid=nbpnbo_mlt

【ポイント】
・体験型消費が進むラグジュアリー市場。価値基準はよりパーソナルなものになってきている。
 丹波の山奥の集落丸山や、佐渡島の期間限定のレストランなど、「近くて便利」とは真逆のスポットが賑いを見せる。
 あえて時間と手間をかけることに価値を見出す人が増えている。

・ラグジュアリーは高価であったり、等級を感じたり、決めつけるニュアンスが感じ取られるから、私は「ラグジュアリー」という言葉を普段使いません。
 地域とつながり、お客様の個性に合わせたサービスを提供することに、価値を見出したい。
・昔は、皆が同じものを体験し、馴染みのサービスを受けられることに居心地の良さや安らぎを感じていた。
 今は、一人ひとりが別の居心地の良さを求めるようになってきた。
 若い世代にその傾向が強い。
・消費者がかつてよりも自身の「ライフスタイルを編集する」という能力が向上している。
 自分で好きなものを選ぶこともできるようになっている。

・「アンダーズはこういうブランドである」という世界観をあえて持たない。お客様一人ひとりに最適化した体験を実現する空間を提供する。
 アンダーズ東京のフロントにはレセプションデスクがない。お客様とホテルのスタッフとの間に隔たりを作らないようにするのが狙い。
 ドアマン、フロント、コンシェルジュ、ベルアテンダントという分担をなくし「アンダーズホスト」が、ゲストのスタイルに合わせたサービスを提供する。
・アンダーズではローカライズされたサービスを徹底し、ホテルが立地している環境をホテルに最大限反映させる。
 「日本」を感じられるように和ダンスをイメージしたキャビネット、壁には襖や障子のデザイン、日本独特の色やデザインを再確認できる客室だ。
 コンセプトをしっかりと伝えていくため、日本のマーケットのみならず海外への発信が重要だと考えている。