『外国人は「城と街道」を目指す!(後編) ハードな街道踏破になぜか集まるリピーター』をご紹介します。

(日経ビジネスオンライン 7月24日)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140722/268974/?P=1

欧米系を中心に、観光の目的が日本の自然を味わう人が増えているようです。熊野古道を訪れる観光客の8割が外国人だと言う話を先日お聞きしました。アジア系を中心に都市部の観光客も増えているが、アジア系も日本の自然を味わう人が増えているようです。

中山道、木曽路の外国人の動向は、今後の観光の重要なポイントを含んでいると感じます。

【ポイント】

・2012年の観光入込客数は、長野県塩尻市の「奈良井宿」63万人、南木曽町の「妻籠宿」48万人、岐阜県中津川市の「馬籠宿」52万人。

・木曽路で今、外国人観光客が急増している。しかもその多くは、日本人もほとんどしない旧街道8km、高低差300m以上の馬籠峠越えを目的としている。

・この馬籠峠を越える人は年間約3.5万人、うち外国人が約9000人(25.7%)を占める。

・外国人が多く見られるようになったのは2008年頃から。2009年度は5848人、2010年度は7459人、2013年度は8939人となった。

・中山道を訪れる外国人観光客の92%が欧米からの客で、うち欧州の客が60%を占める。

・木曽路旅行の動機は、「山や風景などの自然」22%、「宿場風景」19%、「ウォーキング/ハイキング」16%、「日本の歴史」11%。「景色」の満足度は「大変良い」77%、「良い」22%、合わせて99%にのぼる。

・木曽路で宿泊する人は77%。1泊が43%、2泊が31%、3泊以上する人も3%いる。宿泊地としては妻籠が60%、馬籠が33%

・妻籠宿にはかつては56軒の宿泊施設があったが、現在は農家民宿8軒、旅館3軒の11軒を残すのみ。

・木曽路で良いとされた点は「おもてなし」が「大変良い」88%、「良い」12%で合計100%。

・不満な点の一つは、宿泊施設等でクレジットカードが使えないこと。

・木曽路の情報はインターネットが43%、ガイドブックが35%で「ロンリープラネット」が81%。

・木曽に来る前の滞在場所は、名古屋25%、東京18%、松本17%、京都11%、中津川9%、飛騨高山・白川郷5%。最近、京都から長野・岐阜を経由して東京へ入る「ゴールデンルートの変型版」も増えている。

・Wi-Fi環境は多くの宿で整備されているが、無い場合は観光協会のフリースポットを使う。

・日本人の木曽路観光はいまだに有名な観光地を駆け足で歩く「物見遊山観光」。一方、外国人は自然の景色などをゆっくり眺め、木曽路を歩き、地域と触れ合う「能動体験型観光」。

・11日間をかけ、京都・三条大橋から東京・日本橋まで中山道を歩くハードなツアーもある。

体験した記者は「徳川が支配した江戸時代は日本の黄金時代で、京都と江戸を結ぶ古代のハイウェイ、中山道はその中心にあった。かつて将軍や巡礼者たちが歩いた道は有用で、ロマンスに満ちている」と評している。

・多くは徒歩で、区間によっては公共交通を利用するが貸切バスは使わない。宿泊には旅館や農家民宿を使うこともあるが、疲れをとるため、慣れたベッドと洗濯などができる設備の整ったホテルを1泊程度は入れる。

・年間1400人を呼び込み、リピーター率は約3割だそうです。99%が直接申し込み。リーマンショック直後は利用者の90%はオーストラリア人だったが、現在はオーストラリア30%、北米25%、シンガポール7%、英国5%など。最近ではマレーシアが200~300%の伸びを見せている。

・「日本の一番の魅力は日本人そのもの」「イギリス人は初めて会った人にはまず、あなたは何者かを問うが、日本人は初めて会った人にもすごく親切にしてくれる」「電車で参加者が忘れ物をしても必ず戻ってくる」そんな国は他にはない。Walk Japanのツアーは、日本を歩き、それを知るツアーだと答えられた。